強迫性障害と思われる症例

70代・女性

 

トイレに行く度に髪の毛や手に尿がついたような気がして、お風呂で洗わないと落ち着かないという症状でご相談に来店されました。
精神神経科も受診されており、3種類の抗うつ剤や安定剤などを服用しています。

 

また症状が出だした頃から気力の低下があり、やる気が失われてしまったようです。

 

睡眠導入剤を服用していますが寝付きが悪く、食欲も全然起きなくなってしまいました。
便秘にも悩まされており病院で薬を処方されています。

 

精神神経科からは特に診断名を聞いてないようでしたが、症状的には強迫性障害のように思われます。

 

強迫性障害とは自分の意思に反して、不合理な考えやイメージが頭に繰り返し浮かんできて、それを振り払おうと同じ行動を繰り返してしまう病気の事です。

 

体質的な傾向や症状の出方、糸練功の反応などから2種類の漢方薬と1種類の補助剤をお出ししました。

 

漢方薬の服用を始めて1カ月後
寝付きが良くなり、睡眠導入剤を飲まなくても良く眠れるようになりました。

 

また漢方薬を飲み始めて最初の2週間ぐらいは食欲も出てきたのですが、その後は再び食欲が無く、食べたくない状態に戻ってしまいました。トイレの後に汚れが気になる症状には変化はありません。

 

漢方薬を瘀血(古血の停滞)の改善作用のあるものに変更しました。

 

2カ月後
睡眠状態は良く、便通も安定してきました。食欲が無いのは変わりません。
排尿後に髪の毛の汚れが気になるのも変わりませんが、手の汚れはあまり意識しなくなったようです。

 

瘀血に対する漢方薬は合っていると思われたので、効果を強めるために補助剤を変更しました。

 

3カ月後
これまではトイレに入ると必ず気になっていたのが、ポツポツと少ないながら気にならない時が出てきました。
特に最近の1週間では4~5日続けて気にならない事が続いたようです。

 

4カ月後
食欲が少しずつ出てきました。
この2週間では今まで食べたく無かった事が嘘のように食事が美味しくなり、かえって食べ過ぎるぐらいのようです。

 

またこの1か月間はトイレに入った後で、髪の毛の汚れが気になる事も殆どありませんでした。
今まではトイレに行くのが嫌でしたが、気持ちよく行けるようになったとの事です。

 

5カ月後
調子が良いので3種類出されていた抗うつ剤、安定剤を半分の量に減らしたようです。

 

6カ月後
抗うつ剤、安定剤など3種類の服用を止めましたが、変わらず調子は良いようです。

 

漢方薬の量も少しずつ減らしだしました。

 

7カ月後
漢方薬の量を三分の一に減らしましたが、変わらず調子は良いようです。
トイレの後で気になる事も無いため、漢方治療を終了する事が出来ました。

 

来店当初は声に力が無く、足取りも重かったですが、症状改善とともに見違えるほど元気になられました。

この方の漢方薬代金 1日あたり600円(税別)(体質や症状により代金は異なります)