肛門搔痒症とは
肛門搔痒症(こうもんそうようしょう)とは肛門の周囲が痒くなる疾患で、肛門周囲湿疹ともいいます。肛門周囲は知覚神経が非常に敏感な場所ですので、他の部位よりも痒く感じ易い傾向があります。
肛門周囲を不潔にする事で起きる事もありますが、最近はウォシュレットなどでの洗い過ぎが肛門の皮膚トラブルの原因になるケースが多くなっているようです。
肛門の痒みの原因の中には細菌や真菌、寄生虫の感染が関係している事があります。
そのような場合は肛門科か皮膚科で適切な治療を受ければ改善する事が殆どです。
またまれにですが肛門の痒みの原因に大きな病気が隠れている事もありますので、まずは肛門科か皮膚科を受診するようにして下さい。
病院での治療で改善がみられない痒みや、痒み止めやステロイド軟膏を塗ると一時的には落ち着くが、止めるとまたぶり返すというような場合に、漢方薬で根治出来る事があります。
また何度も菌感染を繰り返すというような場合も、漢方薬で免疫を高め体質改善をする事で改善出来る事があります。
漢方薬での改善症例
〇40代・男性
3カ月前から肛門の痒みが起きるようになり、段々と悪化傾向にあるためご相談に来店されました。
特に夜に痒くなる事が多く、掻いてしまうとしばらく嫌な痛みが続きます。元々アレルギーなどもあり皮膚は弱いようです。
痒みの改善を目的に身体下部の血流改善作用のある漢方薬をお出ししました。
漢方薬を飲み始めて2週間後には7割ぐらいに痒みが軽減しました。
しかしそれ以降は1カ月程同じ漢方薬を続けましたが、7割ぐらいから改善が進みません。
そこで再度漢方薬を検討し直して、清熱作用のある漢方薬と湿熱の改善作用のある漢方薬の組み合わせに変更しました。
2週間後には痒みが3割程度にまで減少して、1カ月後には殆ど気にならなくなりました。
そのまま1カ月程服用を続けて頂き、全然痒みの無い状態が続いているため漢方薬の終了としました。(この方の漢方薬代金 1日あたり600円(税別))
温水便座症候群(ウォシュレット症候群)とは
肛門はもともと適度な油分、湿度に保たれていますが、ウォシュレットの使い過ぎや強い水流での使用により、皮膚や粘膜の皮脂や常在菌が洗い流されてしまい、生体のバリア機構が破綻してしまいます。それが慢性的な炎症、湿疹を引き起こし、痛みや痒みの原因になる事があります。
ウォシュレットの不適切な使用で、肛門搔痒症・肛門皮膚炎などが増えていると指摘されています。お尻の過度な洗い過ぎは控えるようにしましょう。
お尻の痒み、肛門搔痒症は漢方薬で身体の内側から改善出来る事があります。
直接ご来店頂くのが一番ですが、遠方の方や事情で来店が難しい方の場合には、メールや電話(0598-30-6525)によるご相談、漢方薬の郵送にも対応しています。
肛門科や皮膚科を受診しても良くならない、再発を繰り返すという方はご相談下さい。