疲労、倦怠感に漢方薬

疲れが取れない、いつまでも倦怠感が続くというケースでは、エネルギーの不足と考え、栄養ドリンクやサプリメント、もしくは補剤というエネルギーを補う作用のある漢方薬の服用で改善されるという考えが一般的だと思います。

そのようなケースも勿論ありますが、長期に渡って倦怠感が続く場合には、エネルギーの渋滞や身体に不要な熱がこもる事で引き起こされているケースも少なくありません。
東洋医学では実証(エネルギー過剰)と捉えてエネルギーの停滞を取り除く漢方薬や余分な熱を取る作用のある漢方薬で改善される事があります。そのような状態に対してエネルギーを補い過ぎると、かえって症状が拗れてしまう事があります。

〇改善症例

症例①40代・女性
数年前から倦怠感や気力の低下に悩まされています。1日中横になりたいような強い倦怠感が定期的に起こり、仕事にも支障が出ているようです。また気力が出なくて気持ちが落ち込むことも頻繁にあるようです。

東洋医学で気滞と表現する気の巡りの悪さを改善する漢方薬と古血の停滞を改善する漢方薬をお出ししました。漢方薬の服用を始めると段々と体調が良くなり、元気が出てきました。服用開始2カ月後には強い倦怠感が起きる事は無くなりました。気持ちの面でも変に落ち込むような事は無くなったようです。

症例②40代・女性
1年前から起床直後から起きる倦怠感に悩まされています。最近は朝から頭痛がすることも多く、夕方になるにつれていっそう身体が怠くなるようです。この1年間で環境が変わった事もあり、脂っこい食事が増えて体重が15キロも増えています。

東洋医学で半表半裏と表現する部位に熱がこもっている事が影響しているようです。脂っこい食事は控えるようにお伝えして、清熱、中和作用のある漢方薬をお出ししました。服用を始めて3日目から倦怠感が気にならなくなり、頭痛も落ち着いたようです。

症例③ 40代・女性
3年程前から1日中身体が重怠く、疲れがとれない状態が続いています。
倦怠感以外にも、のぼせ易く足が冷える、イライラし易い、頭痛が多い、睡眠状態が悪い、寝汗をかくなどの症状があります。体質的な傾向や症状の出方から、気血両虚を補う作用のある漢方薬をお出ししました。

漢方薬の服用を始めて1カ月を過ぎる頃には倦怠感がだいぶ軽減されて、変なイライラ感や寝汗が無くなり、睡眠状態が改善され、夜中に目を覚ます事が殆どなくなりました。
2カ月後には体調全般が良くなり、変な倦怠感が気になる事は無くなったようです。

症例①は気滞というエネルギーの停滞、渋滞によって強い倦怠感が起こっていたと思われます。一概に気滞といっても身体のどこの部位(上焦、中焦、下焦)、どの深さ(皮膚表面近くなのか、身体の深部なのか)で停滞が起こっているかによって必要な漢方薬は異なります。

症例②は東洋医学で瀉剤と表現する身体の熱を冷ます、余分なエネルギーを抜く作用のある漢方薬で著効がみられました。このような状態に対して、エネルギーを補う漢方薬を服用すると明確に悪化する事があります。

症例③は補気作用、補血作用のある漢方薬の服用で順調に改善が進みました。この方は気血のエネルギー不足が倦怠感の原因だったようです。気血のエネルギー不足の要因には、女性ホルモンのバランスの乱れが関係していたように思われました。

一概に倦怠感といっても起きる原因は様々です。エネルギー過剰による倦怠感は、時にエネルギー不足の倦怠感よりも激しい身体症状として現れる事があります。見極めるのが非常に難しいケースも時にはありますが、「倦怠感にはエネルギーを補う漢方薬」と短絡的に考えるのでは無く、様々な可能性を考慮して漢方薬を選ぶ必要があります。

いつまでも続く疲労感、倦怠感は、適切な漢方薬の服用で改善出来る事があります。

お困りの方はご相談下さい。