便秘について

便通に関してお困りの方は多いと思いますが、便秘の定義としては排便が3日以上なかったり、便が硬くて量が少なく残便感があったりする状態を呼びます。

便秘に伴い腹痛、腹部膨満感、食欲不振などの症状があらわれたり、肌荒れや肩こりなど全身に影響が出ることもあります。
また痔やにきびなどの肌荒れ、高脂血症、高コレステロール血症、一部の自律神経疾患などの治療をする時は、便秘が改善の妨げになるため一緒に改善するように取り組む必要があります。

出来れば毎日気持ちよくお通じがあって欲しいものです。
便秘でお悩みの方は食べ物などで工夫をされている方も多いと思いますが、便秘にも種類があるという事はご存知でしょうか?

便秘の原因にあった漢方薬や食養生で、正しい排便習慣を取り戻しましょう。

便秘の種類

○習慣性便秘(直腸型便秘)

元々人間の身体は食べ物が胃に入ると反射反応(胃結腸反射)として腸が蠕動運動を起こし、便が直腸に送られて便意が起こるように出来ています。
特に朝食後には起こり易いのですが、朝忙しかったりするとついつい我慢をしてしまいがちです。
その積み重ねが胃結腸反射を鈍らせて便意を感じにくくなってしまいます。

改善策として植物性下剤のセンナ葉やアロエ、市販の便秘薬などを使っている方も多いと思いますが、これらは無理やり腸を動かすようなもので習慣性になりやすい傾向があるため注意が必要です。

漢方薬ではくせになりにく排便を促す漢方薬を使い、毎日排便をする習慣を取り戻していきます。
大切なのは毎日きちんと漢方薬を服用しながら、便秘の改善状態に合わせて少しずつ漢方薬の量を減らしていくことです。

正しい排便習慣が戻ると、漢方薬を止めても毎日便通がある状態が維持出来るようになります。

○弛緩性便秘

大腸の動きが良くないために便が直腸に到達するために時間がかかります。
そのため腸内で水分が必要以上に吸収されてしまい、便が硬くなり便秘になってしまいます。
体質的に胃下垂など筋力が弱かったり虚弱傾向にある人にみられます。

対策として筋肉を引き締め、身体に力をつける漢方薬や腸を潤す作用のある漢方薬を使います。

○痙攣性便秘

ストレスや自律神経の乱れにより大腸が痙攣運動を起こしやすく、その結果便の通過が停滞して起こる便秘です。
上記の便秘に比べて腹痛や下腹部の膨満感、残便感が強かったり、旅行などで環境が変わると便秘になる人に多くみられます。
過敏性大腸症候群の方の中には、この病態によって起こっている方もいます。

緊張を緩める作用のある漢方薬や自律神経を安定させる作用のある漢方薬を使います。

○腸の乾燥による便秘

何らかの理由により腸内が乾燥しているために起こる便秘です。
東洋医学でいう熱証体質者や発熱などで一時的に水分が失われる事で起こる事もあります。

腸内を潤す作用のある漢方薬で改善していきます。

これらの病態が単独もしくは複数組み合わさって、頑固な便秘症状を起こしてしまっている方が多いです。

便秘が続くので仕方なく下剤を飲むと、今度はかえってお腹が痛んだり下痢が酷くなるという方でも漢方薬で負担なく便秘体質を改善していく事は可能です。
一定期間便秘が続いてから下剤を飲むという事を繰り返していると、段々と下剤が効きにくくなってしまう事が多いです。
大切なのは毎日漢方薬を飲んで、排便の習慣を取り戻しながら漢方薬の量を減らしていく事です。

食べ物では水溶性繊維の多く含まれた海藻類や完熟果物などを積極的に食べるようにします。
水溶性線維は、便を柔らかくする働きがあり、またコレステロールなどの余分油物を吸着して体外に排出する作用もあります。

イモ類やゴボウ、豆類などに多く含まれる不溶性線維は便のカサを増す働きがありますが、便秘で腸内に便が溜まっている状態ではかえってお腹が張って苦しくなる事がありますので注意が必要です。