不妊症に対する漢方治療

不妊症に対して松阪漢方堂では、妊娠しやすい身体作り(血虚体質、瘀血体質、冷えの改善)、原因部分の改善(排卵障害、卵管閉塞、高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群、自律神経の乱れなど)を目的に取り組んでいきます。

不妊症の原因になり得るもの

甲状腺の病能(特に機能低下症、橋本病)が不妊症に影響を与えているケースがあります。
影響が考えられる場合は、甲状腺に対する漢方治療を併用していきます。
・半夏厚朴湯
・スクアレンなど

 

プロラクチンは授乳を促すホルモンですが、授乳中は妊娠しないように女性の身体を変化させます。

 

通常は出産、授乳が終わるとプロラクチン値も下がりますが、高いままになってしまうことが最近多く見られ二人目不妊の大きな原因になっています。
授乳期間が長過ぎる場合も、高プロラクチン血症になりやすいといわれています。

 

また出産経験が無いにもかかわらず高プロラクチン血症となっているケースも増えています。高プロラクチン血症も漢方治療の適応疾患になります。
・駆瘀血剤
・芍薬甘草湯
・自律神経のバランスを整える漢方薬など

 

卵管が閉塞することによって精子が卵管を通れなくなると不妊症の原因となります。
漢方薬を3~5ヶ月程服用することで、多数の方の卵管閉塞が改善した症例を経験しています。
ただし5ヶ月程服用しても病院の検査で通っていなかった場合は、かなり強い癒着などがある可能性が高く、漢方薬による閉塞の改善は難しくなります。
・駆瘀血剤
・六君子湯
・スクアレン
・桂枝加芍薬湯など

 

強いストレスなどで自律神経の乱れがある場合は、ホルモンバランスなどに影響を与えて不妊症の原因となる場合があります。
自律神経の乱れが不妊に影響を与えている場合は、平行して漢方治療を行います。
・桂枝加竜骨牡蠣湯
・半夏厚朴湯
・加味逍遥散など

 

病院の検査で免疫の問題として抗精子抗体や抗核抗体が陽性の場合でも漢方治療で改善に向けて取り組むことが出来ます。
・当帰散
・柴苓湯など

 

また病院の検査では特に異常は無いにも関わらず、長く妊娠に至らないというケースも非常に多く見られます。
そのような場合東洋医学では冷え・血虚・瘀血などの体質改善に取り組むことで妊娠しやすい身体作りを行います。

血虚とは

東洋医学での概念で血の持つエネルギーの事を現します。
貧血も含まれますがそれだけでなく、ホルモンの働きの低下、物質のエネルギーの低下も含みます。

 

血虚体質の方は、血が不足する生理中に身体が辛くなる方が多いです。多くの場合は冷えが伴います。
・当帰芍薬散
・四物湯など

瘀血とは

東洋医学の概念で、血流の停滞や身体に溜まった古血の事を意味します。

 

生理前に調子を崩しやすく、生理の際の出血に塊が含まれることが多いです。多くの場合は冷えのぼせを伴います。
・桂枝茯苓丸
・桃核承気湯など

 

漢方治療では、妊娠の妨げになっていると考えられる、ひとりひとりの東洋医学での原因部分(血虚・瘀血・冷えなど)・西洋医学での原因部分(検査数値や卵管閉塞、免疫異常など)を改善するように取り組んでいきます。

 

まれに漢方薬を飲み始めて短期間で妊娠するケースもありますが、体質改善を進めた後に半年から1年前後で妊娠される方が多いです。
漢方薬での不妊治療を考えている方は、一度ご相談頂ければと思います。