安胎薬とは

安胎薬とは、流産の防止のために用いる漢方薬の事です。
漢方薬の種類によって、子宮の過収縮による流産の防止や子宮への血行促進、免疫異常による流産防止などの働きがあります。

また妊娠中毒症(妊娠時高血圧・蛋白尿・浮腫)の予防効果のある漢方薬もあります。

切迫流産(流産しかかっている状態)の場合は、安胎薬と共に止血作用のある漢方薬の服用で対応します。

もちろん安胎薬を飲んでいれば、絶対に流産の防止が出来るわけではありません。
染色体異常が原因の流産など、起こるべくして起きてしまった流産は防止できないと思います。

安胎薬が防止出来るのは、そのままにしておくと流産してしまいそうな境界線上のものに限られると考えられます。

それでも安胎薬の服用を続けて、養生にも気を付ける事で大きく結果が違ってくる事があります。

安胎薬には出産ギリギリまで服用した方が良いものと、胎児が安定する4~5ヵ月目ぐらいまでをめどに服用するものがあります。

また体外受精の際は、1週間程前から結果が分かるまで安胎薬を服用する事で、成功率を高める事が出来ると考えられます。

安胎薬の種類

・当帰芍薬散
・当帰散
・白朮散
・柴苓湯など

妊娠時の養生法

妊娠初期には、高い靴を履いたり背伸びの姿勢をするといった筋肉が緊張する事は避けた方が無難です。
また車などでの長距離の移動もあまり良くありません。

抗ヒスタミン剤・キサンチン系統の市販薬(風邪薬・咳止め・アレルギー剤等)は、催奇形性の危険性を考えて出来るだけ避けます。
特に妊娠初期は注意が必要です。

市販の便秘薬や漢方でも大黄やセンナが含まれた便秘薬は、流産の危険性を高めます。
東洋医学では、唐辛子などの辛い物や降ろす作用のある玄米も禁止されています。
妊娠初期は特に控えるようにして下さい。

また妊娠時に白砂糖を摂り過ぎると、赤ちゃんがアトピー性皮膚炎になりやすいといわれています。

悪阻(つわり)

妊娠初期から中期にかけて、多くの方が経験するのが悪阻です。
重症の場合は、空腹時も食事をしても吐き気が酷く、入院して点滴を受けなければならない方もいます。

安胎薬を飲みたいけれど、悪阻が酷くて断念するという方も少なくありません。
悪阻に対しても漢方薬が有効な事があります。

病院では小半夏加茯苓湯が出される事が多いと聞きますが、漢方治療全般と一緒で体質・症状に合っていないと効果は期待出来ません。

悪阻に対する漢方薬

・小半夏加茯苓湯
・乾姜人参半夏丸
・五苓散
・呉茱萸湯
・桂枝湯などから体質・症状に合ったものを服用します。

また軽度の悪阻の場合は、冷たい水に生姜を溶いたもので、胃がすっとして楽になる事もあります。

悪阻の症例

30代・女性
悪阻による吐き気、むかつきが酷いため、漢方相談に来店されました。
特に夕方から悪化して、ずっと横になっているとの事です。

病院から小半夏加茯苓湯を処方されていますが、あまり効果を感じないようです。

体質的傾向から2種類の漢方薬を組み合わせて飲んで頂く事にしました。
漢方薬を飲み出すと、翌日から吐き気、むかつきが軽くなりました。
完全に症状が無くなったわけではありませんが、とても楽になり、横になる必要が無くなったと喜んで頂きました。
ただし体調が良くなっても、安定期に入るまでは極力無理をしないようお伝えしています。
この方の漢方薬代金 1日あたり500円(税別)