「冷えは万病の元」と言われるように、神経痛や頭痛、腹痛、生理痛、不妊症、アレルギー性鼻炎、慢性下痢、慢性膀胱炎などの原因になる事があります。
また低体温は免疫を低下させるため、様々な症状に関与する可能性があります。

一概に冷え性と言っても、冷える原因や部位によって改善に必要な漢方薬は異なります。

身体全体の冷え

普段から厚着をしないと耐えられない、冬以外でも毛布が必要などの身体全体の強い冷えに対しては、附子や乾姜など、温める作用の強い生薬が含まれた漢方薬を用いる事が多いです。

少食、胃弱、低体温、風邪をひきやすいなどの症状が伴う方の場合は、身体を元気にしたり基礎代謝を高める作用のある漢方薬を併用する事もあります。

また冷えと水毒(身体に溜まっている余分な水)は、密接な関係にあります。
体内にある余分な水は、身体を冷やします。
そのため漢方薬は温める作用のある附子や乾姜と、利水作用のある白朮や茯苓といった生薬が組み合わされている事が多いです。

手足末端の冷え

〇ストレスなどによる交感神経の過剰緊張
交感神経が緊張すると、四肢末端の血管は収縮します。
その結果、四肢の血行不良が起こり、手足末端の冷えが起きます。

緊張すると手足が冷えるという場合は、自律神経の乱れ(交感神経の過緊張)の可能性が高いです。
またそのような状態が長く続くと、常に手足が冷えるようになる事もあります。

このようなケースでは温める漢方薬では無く、自律神経のバランスを整える漢方薬が必要になります。

〇瘀血体質
瘀血と呼ばれる血行不良でも、手足の末端が冷える事があります。
血行を促進する作用のある漢方薬で改善に取り組みます。

下肢の冷え、冷えのぼせ

下肢を中心に冷える、また下肢は冷えるが顔はのぼせる場合も、瘀血が原因となっている事があります。
また自律神経症状の一つとして、気の上衝があるケースでも冷えのぼせが伴う事があります。

上記以外にも背中だけ冷える、身体の表面だけ冷える、お腹や腰周りだけ冷えるというように様々な冷えの症状があります。
どのようなケースでも、冷えが起きている原因を考えて、それに対する漢方薬を用いる事が大切です。

養生法も原因によって異なります。
冷たい飲み物や生ものなど身体を冷やす食べ物を控えて、味噌や生姜など温めるものを積極的に食べるのが最も大切な方もいれば、血流を改善する緑の野菜を多めに食べる。血流が良くなるように適度な運動を行う事が大切な方もいます。

西洋医学には、冷えの概念が無かったそうです。
一方東洋医学は、体質や症状を表裏、虚実、寒熱で鑑別して捉えてきたように、冷えを重要視してきた歴史があります。
冷え性でお困りの方はご相談下さい。

改善症例

〇40代・女性
ずいぶん前から極度の冷え性で、夏場でも毛布を掛けて靴下を履かないと眠れません。
体質的には、全体的に水気が多い印象があります。
血虚を補う漢方薬と利水作用のある漢方薬を組み合わせてお出ししたところ、極端に冷える事は無くなりました。
春から秋にかけては毛布が不要になり、靴下を履かなくても眠れるようになりました。
冬場も漢方薬を飲み出す前に比べると、強い冷えを感じる事はずいぶんと減ったとの事です。
この方の漢方薬代金 1日あたり600円(税別)

〇60代・女性
数カ月前から、背中に氷を入れているように冷えるとのご相談がありました。
もともと冷え性ではありますが、特に背中が強く冷えるようです。
背中の冷えに対して、附子が含まれる2種類の漢方薬を組み合わせてお出ししました。
漢方薬を飲み始めて2週間後には、毎日感じていた背中の冷えが気にならない日が出てきました。
更に2週間後には、背中の冷えが気になる事は殆ど無くなったようです。
その後は来店が途絶えたため、それ以降の事は分かりませんが、すみやかな自覚症状の改善がみられました。
この方の漢方薬代金 1日あたり 600円(税別)