漢方薬による蕁麻疹の改善症例

〇コリン性蕁麻疹(30代・男性)
8カ月程前から運動や入浴などの体温が上がった時に、顔以外の全身に出る蕁麻疹に悩まされています。
また緊張が緩んだ瞬間にも大量の発汗と共に、全身に大きな蕁麻疹が出てきます。
発症時期に人間関係で強いストレスが続いており、それが原因のように思うとの事でした。

病院ではコリン性蕁麻疹と診断されて、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー薬をしばらく服用しましたが改善は見られず、現在は薬の服用は中止しています。
医師からも、コリン性蕁麻疹は病院の薬では改善は難しい事が多いと言われたそうです。

蕁麻疹が出るようになってから、入浴はシャワーで手短に済ませ、極力身体も動かさないようにしていますが、仕事でストレスがかかった後や、ふとしたはずみに出るためほぼ毎日悩まされています。

漢方薬は柴胡剤とカルシウム製剤の組み合わせをお出ししました。
漢方薬を飲み始めると1か月後ぐらいから、少しずつですが症状が和らぎ始めました。
5ヶ月間服用を続けると普段の生活で蕁麻疹が出ることは殆ど無くなり、運動や入浴も出来るようになりました。
まだたまに風呂上りに小さい蕁麻疹がいくつか出ることがありますが、痒みも殆ど無くすぐに消えるためにご本人の希望もあり漢方治療を終了しました。

この方の漢方薬代金 1日あたり 600円(税別)

〇ストレス性と思われる蕁麻疹(50代・女性)
お風呂上りや衣服が擦れた部分に、痒みを伴う赤い蕁麻疹が出てしまうとご相談を受けました。
1ヶ月程前から始まり、ほぼ毎日顔と手首から先以外は全身に出てしまうようです。

蕁麻疹の原因には、食べ物、薬剤、ストレスなど様々な原因が考えられますが、この方の場合は問診や漢方の見立てからストレスによる影響が大きいように感じました。

柴胡剤とカルシウム製剤の組み合わせをお出ししたところ、服用開始1ヶ月ぐらいから症状が軽減を始めました。
その後は、普段は落ち着いているが何かの拍子に時々蕁麻疹が出てしまうという状態が続きましたが、7ヶ月後には完全に出る事が無くなり漢方薬も終了となりました。

この方の漢方薬代金 1日あたり 580円(税別)

アレルギー性蕁麻疹(50代・女性)
3~4年前から蕁麻疹が起こるようになり、最近は特に症状が強く、毎日のよう激しい痒みと赤みを伴う発疹が出るために相談に来店されました。

お話を聞いていると、食べ物の影響が大きいようです。
蕁麻疹に対する漢方薬と補助剤1種類をお出しして治療を開始しました。

また原因と思われる食材は出来るだけ避けるようにお願いしました。

最初の1~2ヶ月はあまり大きな改善は見られませんでしたが、服用開始3か月頃から蕁麻疹が出る回数が徐々に減り出してきました。
半年を過ぎる頃から月に2~3回出るぐらいまで減りましたが、なかなか症状の消失までは改善が進みませんでした。
1年以上服用を続けて症状が完全に出なくなり、無事漢方治療を終了する事が出来ました。

この方の漢方薬代金 1日あたり 700円(税別)

蕁麻疹の原因

蕁麻疹は大きくアレルギー性のものと、非アレルギー性のものに分類されます。

〇アレルギー性蕁麻疹
原因となるのは飲食物、食品添加物、薬剤、動植物などがあります。
食べ物では牛乳、チーズなどの乳製品、卵やサバ、マグロなどの魚類、エビやカニなどの甲殻類に多い傾向があります。
それ以外でも肉類、野菜、小麦、大豆など様々なものがアレルギーの原因となりえます。
また抗生物質や解熱鎮痛剤に対してアレルギー反応を起こす方もいます。

〇非アレルギー性蕁麻疹
下着による摩擦などの物理的な刺激や温熱蕁麻疹・寒冷蕁麻疹のように気温差や温度が引き金になることもあります。また運動や発汗が刺激となったり、精神的なストレスによって起こる心因性蕁麻疹もあります。

蕁麻疹の種類

〇アレルギー性じんましん
魚・肉・卵などのアレルギーの原因となる飲食物の摂取、ハウスダスト・花粉などが原因になります。

葛根湯や香蘇散といった漢方薬が有効な事が多いです。

〇コリン性じんましん
運動・入浴・精神的緊張などによる発汗や発汗を促す刺激によって誘発されるじんましんです。
アセチルコリンという副交感神経から分泌される化学物質が原因と考えられており、ストレスや緊張が緩んで一息ついたタイミングで症状が出ることが多い傾向があります。

柴胡剤と呼ばれる「柴胡」という生薬を含んだ漢方薬とカルシウム製剤の組み合わせで改善する事が多いです。
柴胡剤には、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、大柴胡湯、柴苓湯、四逆散などがあり、どの柴胡剤が合うのかは体質や症状の出方によって異なります。

〇心因性じんましん
精神的なストレスが原因となるじんましんです。
原因となるアレルギー物質に心当たりが無いにも関わらず、長期に渡って続くじんましんの場合、ストレスが原因の可能性があります。

コリン性じんましんと同様に、柴胡剤+カルシウム製剤の組み合わせで改善する事が多いです。

〇寒冷じんましん
皮膚が急激に冷やされる事で引き起こされるじんましんです。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯、苓姜朮甘湯、真武湯などの温める作用のある漢方薬が有効な事が多いです。

〇温熱じんましん
皮膚温度が上がる事で引き起こされるじんましんです。
身体の余分な熱を冷ます漢方薬が有効な事が多いです。

蕁麻疹の西洋医学での治療法

アレルギー性蕁麻疹の場合は原因物質を見つけて取り除く事が一番ですが、実際には原因を特定する事は難しいケースが多いようです。
治療の主流は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服になります。
また激しく掻いてしまうなど皮膚を掻き壊してしまう場合は、外用としてステロイド軟膏を使う事もあります。

いずれの場合も一時的な症状で内服や外用で治まれば良いのですが、内服を止めるとすぐに再発したり、内服薬が殆ど効かないケースもあります。
このような場合は有効な手立てが無く、数年~10年以上と症状が長期化してしまう事もあります。

蕁麻疹の漢方治療

漢方治療では、東洋医学での分類で「太陽病位」から「少陽病位」が治療目標になる事が多いです。
長期に渡り難治性と思える蕁麻疹でも、漢方薬で順調な改善が見られる事があります。

使われる事の多い漢方薬
・葛根湯
・香蘇散
・柴胡剤
・桂麻各半湯
・十味敗毒散
・消風散など

アレルギー性蕁麻疹に加えて、最近はストレスが関係する心因性蕁麻疹やコリン性蕁麻疹に悩まされる方が増えていると言われています。
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬に加えて、ストレスが関係する場合は抗不安薬なども処方される事がありますが、効果的な改善に至らず長期に渡って症状が続くことも少なくありません。

そのような場合も漢方薬が有効に働くことは多くあります。
お困りの方はご相談頂ければと思います。

また蕁麻疹は漢方相談中は出ていない事が多いため、蕁麻疹が出ている時の写真を持ってきて頂けると漢方薬の絞り込みの大きなヒントになります。