痔核・いぼ痔
肛門周囲に分布する静脈の血流が悪くなることで、うっ血してこぶ状になったものが「いぼ痔(痔核)」です。大きな原因として、身体の下部(内臓下部)における血滞(血行の悪さ)が考えられます。
女性は出産などで身体の下部にうっ血が生じやすく、またお酒を良く飲まれる方は、肝臓の門脈部の血流が低下することで本来肝臓へ向かうはずの血液が下部に滞り、肛門周囲に血液が溜まりやすくなります。
肛門は、神経が発達しているため、大きくなった痔核が神経を圧迫して激しい痛みを引き起こすことがあります。また、いぼ痔(痔核)の部分は排便の際に通常の皮膚のように柔軟に拡張できないため、切れやすく出血を起こす原因にもなります。
手術でせっかくいぼ痔を治療しても、血流が悪くなる生活習慣を続けたり、体質改善ができていなかったりすると、再びいぼ痔ができて再発に悩まされるケースも少なくありません。
漢方薬では根本原因である身体下部の「血滞」を改善することで、いぼ痔(痔核)の消退および再発防止を目指します。
出血が目立つ場合
痔による出血の多くは「内痔核」からのものです。出血が目立つ場合は、止血作用のある漢方薬を併用することで、速やかに改善されるケースが多く見られます。
なお、お尻からの出血は痔核や切れ痔が主な原因ですが、まれに大腸がんや潰瘍性大腸炎などが隠れている場合もあります。出血が長期間続く場合は、一度医療機関で精密検査を受けていただくと安心です。
突然激しい痛みが現れる場合
痔核(いぼ痔)を持っている方が、突然痔核が腫れ上がり、激しい痛みに襲われることがあります。これは多くの場合、静脈内に血栓(血のかたまり)ができることで血流が遮られ、痔核が急激にうっ血状態(血栓性外痔核など)になることが原因です。
その痛みは非常に激しく、歩くことすら困難になる場合もあります。このような時も、通常の痔核に対する漢方薬に痛みや腫れを抑える漢方薬を組み合わせることで、早期に腫れが引き、痛みが楽になることが多くあります。
痔核(いぼ痔)の養生法
身体下部の血流低下が根本原因であるため、まずは「血行を良くすること」が一番の養生です。「マラソンランナーに痔持ちはいない」と言われるように、普段から適度に歩く習慣をつけることが下半身の血行促進につながります。
また、入浴時はシャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かることも大切です。
痔核(いぼ痔)の症例
【症例1】30代・男性
数日前から急に痔核の痛みが激しくなったとご相談がありました。
以前から定期的に痛みの悪化に悩まされていたそうです。
まずは痛みの緩和に対して効果の期待できる漢方薬をお出ししたところ、これまでになく早く痛みが改善したとお喜びいただきました。その後は痔核自体の改善に向け、血流を整える漢方薬へ切り替えて服用を続けていただいています。
この方の漢方薬代金 1日あたり550円(税込)
【症例2】50代・女性
定期的に痔核からの出血が見られるため、漢方薬のご相談に来店されました。
身体下部の血流を改善する漢方薬をお出ししたところ、出血することがなくなりました。
この方の漢方薬代金 1日あたり 440円(税込)
【症例3】70代・男性
入院明けからいぼ痔の出血、痛み、脱肛の症状が悪化したとのご相談がありました。症状の悪化には入院中の血流悪化に加えて、体力の低下も考えられます。身体を元気にして、引き上げる作用のある煎じ薬と出血、痛みを改善する錠剤をお出ししました。
服用10日後には、出血、痛みがなくなり、脱肛も起きにくくなったようです。
この方の漢方薬代金 1日あたり770円(税込)
痔ろう・肛門周囲膿瘍
痔ろう(肛門周囲膿瘍)の主な原因は「細菌感染による化膿」であり、静脈のうっ血が原因である「痔核(いぼ痔)」とはメカニズムが異なります。
肛門の出口付近にある「肛門腺」に細菌が侵入して感染すると、化膿を起こします。この急性の化膿性炎症を起こした状態を「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」と呼びます。
溜まった膿は直腸内や肛門周囲の皮膚を破って排出されます。膿が出た後の通り道(穴)が塞がらず、細長く深いトンネル状の管として残ってしまった状態が「痔ろう」です。
痔ろうや肛門周囲膿瘍は抗生物質が効きにくく、西洋医学(現代医学)では手術以外の根本治療が難しい疾患とされています。また自然治癒することは少なく、慢性化したまま放置すると、トンネル(瘻管)が枝分かれして範囲が広がってしまうこともあります。
痔ろうに対する漢方治療
一般的な漢方治療では体質や症状に合わせて処方を変えますが、痔ろうの場合は、多くの方に対して共通した漢方薬(慢性的な化膿に強い効果を持つ漢方製剤)を使用します。
この漢方製剤を服用することで、多くの場合、痔ろうの症状が段階的に改善していきます。改善の過程も特徴的で、一時的に排膿や出血を伴いながらも、次第にその量が減少していきます。
最終的に痛みや膿などの症状が消退した後も一定期間服用を続けることで、出来てしまった瘻管(トンネル)自体も徐々に縮小・消失していくと考えられます。ここまで改善させることができれば、再発の可能性も低くなります。
根気強い服用が必要となるため、治療期間は1〜2年ほどかかる場合がありますが、手術を受けることなく漢方薬のみで改善された方も多くいらっしゃいます。「できれば手術を避けたい」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。漢方薬代金は1ヵ月で2万円前後のことが多いです。
痔ろうに対する養生法
化膿が原因ですので、化膿を悪化させる生活習慣を避けることが重要です。
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飲食の注意点:白砂糖を多く含む甘いものや油っこい食事は化膿を悪化させやすいため控えましょう。また、もち米やその加工品(お餅・煎餅など)も炎症を促す恐れがあるため注意が必要です。
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入浴の注意点:患部を過度に温めすぎると炎症や化膿が強まることがあるため、長湯や温泉などは避けてぬるめのお湯で衛生を保つ程度にとどめましょう。
脱肛(だっこう)
脱肛の原因は、大きく分けると「内臓下垂(胃腸の弱り)」によるものと、「痔核(いぼ痔)」によるものの2種類があります。
内臓下垂が原因の脱肛は、ご高齢の方や胃腸が弱い方に多く見られます。「小食で一度にあまり食べられない」「食べても太りにくい」といった体質の方に多く、脱肛に加えて胃下垂を伴っているケースもあります。
肛門の粘膜が下垂して本来の位置を保てなくなった状態であり、脱出する部分は比較的「柔らかい」のが特徴です。
痔核が原因の脱肛は、排便の際に便がいぼ痔(痔核)に引っかかることで、痔核ごと外へ押し出されてしまいます。痔核そのものが飛び出しているため、脱出する部分は「硬い」のが特徴です。
どちらのタイプも、初期段階では排便時にのみ脱出する程度ですが、進行すると「しゃがむ」「くしゃみをする」といった日常のちょっとした動作でも脱出するようになります。脱肛が自然に治ることは少なく、放置して慢性化すると、痛みが強くなって座ることすら困難になる場合もあります。
原因(内臓下垂か、痔核の悪化か)によって適した漢方薬が異なりますので、体質に合わせた見極めが重要です。
脱肛に対する漢方薬
東洋医学では、内臓下垂(脱肛や胃下垂など)は「脾虚(ひきょ=胃腸の働きや消化吸収のエネルギーが不足した状態)」に原因があると考えます。
そのため胃腸を強めて引き締める働きのある漢方薬が使われることが多いです。脱肛の改善と共に胃腸の働きが良くなったり、疲れにくくなる方も多くいます。
また内臓下垂による脱肛改善のためには、お尻を引き締める筋力トレーニングも有効です。
痔核の脱出による脱肛に対しては、お尻の周辺の血流を良くする漢方薬を使い、痔核そのものを小さく・消失させることで脱肛の根本改善を目指します。
直接ご来店いただくのが一番望ましいのですが、遠方にお住まいの方や、ご事情により来店が難しい方にも対応しています。
まずは電話(0598-30-6525)かメールでご連絡下さい。


