慢性疲労症候群とは

原因不明の強い疲労が長期間(一般的に6ヶ月以上)に及び継続する病気です。
ストレスなどが原因となり神経系、免疫系、内分泌系のバランスが崩れることで起こるとも考えられていますが、はっきりとした原因は分かっていません。

仕事や育児などはっきりとした疲労の原因がある場合は「慢性疲労」であり、慢性疲労症候群には当てはまりません。

日常生活に支障をきたすほどの極度の疲労感がありながら、はっきりとした原因が分からず、血液検査も含む全身の検査(ホルモンの異常、内臓や脳、神経系の検査など)でも明らかな異常が現れない状態を慢性疲労症候群と呼びます。

日本でも0.3%(およそ38万人)の人が慢性疲労症候群に罹患していると言われています。

慢性疲労症候群の症状

6ヶ月以上連続で慢性疲労の症状があり、疲労によって日常生活に大きな支障が出る事に加えて下記のような症状が伴う事もあります。
○微熱が続き、咽頭痛 や頭痛が伴ったり、頚部あるいはリンパ節が腫れる。
○全身または特定の部位に原因に心あたりのない筋肉痛が生じる。
○寝つけない、眠りが浅いといった不眠症状や、朝起きられなかったり日中に極度の眠気に襲われるといった症状がある。
○気分の落ち込みといったうつ症状や短期記憶や集中力の著しい低下が起こるなど。

慢性疲労症候群の治療法

症状に応じて、疼痛に対しては非ステロイド性抗炎症薬、うつ症状には抗うつ剤、不安症状に対しては抗不安薬、不眠には睡眠薬などが用いられます。
また補中益気湯などの漢方薬が積極的に使われる事も多くあります。

慢性疲労症候群と漢方治療

漢方薬では補剤と言われる体力を補う、身体に元気を与えるような漢方薬が使われる事が多いです。
・補中益気湯
・十全大補湯
・人参養栄湯
・黄耆建中湯など

また気持ちの落ち込みやうつ症状を緩和したり、自律神経のバランスを整える漢方薬も有効に作用することがあります。
・半夏厚朴湯
・桂枝加竜骨牡蛎湯
・抑肝散
・加味逍遥散
・帰脾湯
・香蘇散など

慢性疲労症候群という診断名に対して、誰が飲んでも効果のある万能薬のような漢方薬はありません。
大切なのは、一人ひとりの体質、症状に合った正しい漢方薬を選ぶ事です。

改善症例

〇30代・女性
1年程前から極度の倦怠感を感じるようになりました。
そのため仕事を続ける事が難しくなり、現在は休職中です。

主な症状として
・疲労倦怠感
・めまい、眼のかすみ
・過眠(12時間ぐらい寝てもなかなか起きられない)
・食欲の亢進などがあります。

体質的な傾向や過眠、食欲亢進といった症状から、1種類の煎じ薬をお出ししました。
漢方薬を飲み始めると、少しずつ体調が上向いてきました。
1ヵ月後には、疲労倦怠感に大幅な改善がみられ、めまいや過眠、食欲亢進などの症状も気にならなくなりました。
漢方薬代金 1日あたり 600円(税別)

〇80代・女性
半年程前から、極端に疲れやすくなってしまったとのご相談がありました。
しばらく休むと楽になりますが、少し動いただけでかなりの疲労感を感じるご様子です。
そのため、1日のうちで休んでいる時間がとても長くなってしまいました。

脾虚(消化機能の低下)に対する漢方薬を飲み始めると2~3日でそれまでの疲労感が改善して、調子を崩す前のように動けるようになったと喜んで頂きました。
漢方薬の場合、効果が出るまでに2週間前後から1カ月程かかる事が多いですが、思いのほか早い改善がみられました。

漢方薬代金 1日あたり 500円(税別)

〇40代・女性
風邪などでいちど調子を崩すと、なかなか体調が戻らなくなったため漢方薬の相談に来店されました。
5年程前から風邪後の不調が続くようになり、最近では体調不良がやっと落ち着いたと思ったら、また風邪をひくといった悪循環が続いているようです。

主な症状としては
・夕方からの微熱が続く
・極度の疲労、倦怠感、息切れ
・朝がなかなか起きれない
・吐き気、頭痛、手足のふらつきなどです。
毎回、調子が戻るまでには1ヵ月以上かかります。

今回も年末にインフルエンザに罹り、それから2ヵ月以上経っていますが、まだ体調が戻っていません。

これまで内科、脳外科、心療内科などいくつかの病院を受診しましたが、はっきりとした原因は分からなかったようです。
心療内科では、自律神経失調症の可能性があると言われた事もあるようです。

風邪の後にいつまでも微熱などの不調が続く場合、東洋医学では身体的な問題と考えます。
身体の中にこもった熱が、いつまでも抜けきらないための体調不良の事が多く、夕方からの微熱の原因になります。

漢方薬の服用2週間後
漢方薬を飲み始めて1週間後から、吐き気が無くなり食欲が出てきたようです。
夕方からの微熱も無くなり、倦怠感も減少して、朝も起きやすくなってきました。

1カ月後
変な倦怠感も無くなり、調子を崩す前の体調にすっかり戻ったご様子です。

漢方薬代金 1日あたり 800円(税別)

その他の疲労・倦怠感に症例はこちらをご覧ください。

体質・症状に合った漢方薬の服用を続けると、少しずつ体調が上向いてくると思います。
漢方薬の良いところは、長く服用しても病院の薬のような副作用が無い事です。
また体質に合った漢方薬の場合、疲労感や倦怠感だけでなく、うつなどの精神症状や不眠症状、原因不明の身体の痛みなどが1~2種類の漢方薬で一緒に改善していく事もめずらしい事ではありません。

慢性疲労症候群は、原因がはっきりしないために対症療法にとどまり、なかなか改善が進まない事も少なくありません。
このような症状には、漢方薬が効果を発揮する事が多くあります。
お困りの方はご相談頂ければと思います。