咽喉頭異常感症とは
喉の狭窄感、異物感、不快感などがあるにも関わらず、食道や咽喉頭部の検査をしても特に異常が見当たらないものを「咽喉頭異常感症」や「咽喉頭神経症」と呼びます。
気になって意識が喉に集中したり、ストレスがかかる状況では症状が増幅される傾向があります。
また喉に狭窄感があっても食事や水を飲む時には、特に問題はありません。
そのような症状の事を、東洋医学では「梅核気(ばいかくき)」や「咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)」と表現をしてきました。
梅核気とは梅干しの種が喉に詰まっている感じがする、咽中炙臠とは炙った肉が喉に貼りついている感じがするという意味です。
昔からこのような症状で悩まされる方は多く、また漢方薬が良く効く事の多い病態でもあります。
咽喉頭異常感症の原因
精神的な不安や緊張、うつ症状などの自律神経の乱れが原因と考えられています。
そのため病院では精神安定剤が出される事もあります。
ただし喉に腫瘍が出来ていたり、炎症が起きている時にも同様の症状が現れる事があります。
病院できちんと検査をして、喉に器質的な異常が無いか確認する事は大切です。
喉のつまり・咽喉頭異常感症に対する漢方薬
不安感やストレスによる身体への過度の影響を改善する漢方薬で取り組んでいきます。
喉のつまり感に対しては、特に「半夏厚朴湯」が使われる事が多いです。
半夏厚朴湯とは、気滞(気の停滞)を改善する作用に優れており、うつ症状や気持ちの落ち込み、不安感などに使われる事の多い漢方薬です。
東洋医学では、喉の部分に気の流れの停滞が起こる事で、喉のつまりを感じると考えてきました。
半夏厚朴湯の構成生薬である「厚朴」には食道などの消化管の緊張を緩める作用があるとされています。
また「蘇葉」には気うつを改善する作用、「茯苓」には気持ちを落ち着ける作用があります。
すでに半夏厚朴湯を飲んだ事があるけど改善しないという場合には、服用期間が短か過ぎる、購入した半夏厚朴湯の質が悪く効果が弱いというケースがあります。
また半夏厚朴湯だけの服用ではなく、その方の体質や症状の出方によって他の漢方薬や漢方製剤を組み合わせる必要がある事もあります。
それでも改善しない時には、よりその方の体質に合った漢方薬で改善に取り組んでいく必要があります。
喉のつまり感には、漢方薬が効果を発揮する事が多いです。
お困りの方は、一度ご相談下さい。
改善症例
30代・女性
1年程前から喉の詰まり感や不安感、動悸などの症状が起きるようになってしまったとのご相談がありました。
半夏厚朴湯と発散作用のある漢方製剤を一緒に飲んで頂くようにお出ししたところ、少しずつ喉の詰まりが気にならなくなり、また動悸や不安感にも軽減が見られました。
服用開始から8カ月で、喉の詰まり感や動悸、不安感が消失したため漢方薬の分量を減らし始めました。
服用開始から1年後に症状再発の可能性は低いと判断して、漢方治療を終了しました。
この方の漢方薬代金 初診時の代金 1日あたり 580円(税別)
60代・女性
3カ月程前から、喉の詰まり感や手足の強張り、不眠症状が起きるようになったためご相談に来店されました。
身内の不幸など、精神的にも体力的にも大変な状況が続いていたようです。
半夏厚朴湯と小陽病位に対する漢方薬を一緒に飲んで頂くことにしました。
服用開始から1か月後には、喉の詰まりを感じる事は無くなり、手足の強張りも起きる事は無くなりました。
睡眠状態も改善したため、睡眠導入剤の服用を中止しましたが、その後も以前のように良く眠る事が出来るようです。
この方の漢方薬代金 初診時の代金 1日あたり 600円(税別)
30代・女性
半年ほど前から、動悸、不安感、不眠症状、喉の詰まり感が起きるようになり、病院ではパニック障害と診断を受けました。
半夏厚朴湯と気の発散作用のある漢方薬をお出ししたところ、動悸や不眠は改善をしましたが、喉の詰まり感だけが残ってしまいました。
そこで改めて漢方薬を検討し直して、もう1種類、自律神経を安定させる漢方薬をお出ししたところ、喉の詰まりも消失しました。
この方の漢方薬代金 初診時の代金 1日あたり 500円(税別)