非歯原性歯痛に漢方薬

非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)とは

難しい病名ですので、非歯原性歯痛と診断を受けると難病のようで不安を感じる方もいると思いますが、歯や歯周組織に異常が無く、別の原因から歯が痛んでいる状態という事です。

 

そのため痛みが起きる原因に対して適切なアプローチが出来れば、痛みを改善出来る可能性は充分にあると思います。

 

痛みが起きる原因として以下のような事が考えられます。

 

東洋医学では通じざれば則ち痛むという概念があり、血液やリンパなどの流れに滞りがあると痛みが起きると考えます。気血の循環の悪さがあると、顔面部や肩頚部の筋肉が緊張し易くなりますが、それも痛みの一因になります。

 

気血の循環が悪くなるのは、ストレスなどによる自律神経の乱れや女性ホルモンの影響、不適切な生活習慣、事故や怪我の影響など様々です。
長年の身体の使い方の癖で、常に肩に力が入っているような方もなり易いと思われます。

 

多くの場合は心身のストレスによって、あごや頚、肩周りに過度の緊張がある事が関係しているように思います。

 

漢方治療の場合は、歯の痛みが起きる東洋医学的な原因(気血水の流れの悪さ、過不足)に適した漢方薬を選ぶことが大切です。
一概に血流が悪いと言っても、血自体が足りていないのか、血は足りているが流れる力が弱いのか、血が多過ぎてうっ滞しているのかなど、一人ひとり必要な漢方薬は様々です。

 

使用される可能性の高い漢方薬

〇加味逍遙散
〇逍遥散
〇抑肝散
〇柴胡桂枝湯
〇柴胡加竜骨牡蛎湯
〇柴胡桂枝乾姜湯
〇四逆散
〇柴胡疏肝湯
〇当帰芍薬散
〇四物湯
〇苓桂朮甘湯
〇桂枝加苓朮附湯
〇半夏厚朴湯
〇柴朴湯など
〇桃核承気湯
〇桂枝茯苓丸
〇女神散など

症状の出方や東洋医学での原因部分に適した漢方薬を選ぶことが大切です。

漢方薬改善症例

〇40代・女性

3年前に抜歯をした事がきっかけで歯が痛むようになり、非歯原性歯痛と診断されています。
左の奥歯が痛むことが多いですが、右奥歯や前歯に痛みが移動する事も多々あります。
抗うつ剤を服用した事もありますが、効果は感じられなかったようです。

 

症状の出方や糸練功の反応から2種類の漢方薬をお出しすると、服用1カ月後には痛みの強さや起きる頻度に軽減がみられました。
3カ月後には、ほぼ毎日あった痛みが、週の半分程度に減ってきました。

 

8カ月後には1カ月のうち数回ある程度で、痛みも軽く短時間で落ち着くようになりました。

 

この方の漢方薬代金 1日あたり600円(税別)

 

〇30代・女性

5年前に歯科治療を受けてから歯の痛みが続いており、非歯原性歯痛の疑いと診断されています。
神経を抜くなどの治療を受けてきましたが、痛みに変化は無かったようです。
生理前や肩凝りが酷くなると、痛みも強くなる傾向にあります。

 

心身の緊張を緩め、身体上部の循環を良くする作用のある漢方薬を服用すると、痛みに軽減がみられ、気にならない時間が増えるようです。
この方は楽になるとすぐに服用を止めてしまいますが、調子を崩した時に数日服用すると確かに効果を感じるようです。

 

この方の漢方薬代金 1日あたり450円(税別)

 

非歯原性歯痛と診断される、原因のはっきりしない歯の痛みは漢方薬で改善出来る事があります。お困りの方はご相談下さい。

 

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