蓄膿症(副鼻腔炎)

蓄膿症は、鼻の粘膜の炎症が副鼻腔にまで広がり、膿が溜まった状態が慢性化してしまった症状です。

 

風邪による急性炎症症状が慢性化したもの以外に、アレルギー性鼻炎が原因となったり鼻中隔が曲がっているために鼻の通りが悪い事で引き起こされる事もあります。

 

蓄膿症になると鼻の詰まり以外にも頭痛や頭重、味覚障害、思考力・集中力の低下などの症状が引き起こされます。
また鼻水が喉の方に垂れる事で不快感を感じたり、喉の刺激による咳や痰が出る、後鼻漏(こうびろう)という特徴的な症状が伴うこともあります。

 

漢方薬では葛根湯加川芎辛夷が有名ですが、体質・症状に合わせて四逆散や小柴胡湯、荊芥連翹湯、排膿散及湯など様々な漢方薬が使われます。

 

体質に合った漢方薬を飲むことで、副作用の心配なく症状を改善して行く事が出来ます。また蓄膿の方はアレルギー性鼻炎を併発している方も多いため、平行して治療をしていくと改善が早くなります。

 

食養生では、炎症を助長する白砂糖、油物、もち米は出来るだけ控えて、清熱作用のある濃緑の野菜、発散作用のある葉物を積極的に摂る事で改善が早くなります。

蓄膿症(副鼻腔炎)の症例

20代・男性
元々アレルギー性鼻炎を持っていますが、風邪を引いてから急性副鼻腔炎になり濃い鼻水の症状が続いています。
漢方薬をお出しすると1ヵ月後には大幅に鼻をかむ回数が減り、2ヵ月後には風邪を引いた際もいつものように鼻水が酷くならなかったと教えて頂きました。
その後も調子の良い状態が続いているとのことです。

 

急性副鼻腔炎の時に漢方治療を行うと、改善も早く慢性化を防ぐ事も出来ますが、慢性的な蓄膿症に対してはある程度長期に渡っての服用が必要になります。

また食養生への取り組み次第で、改善効果や速度は大きく違ってくることが多いです。

 

一度体質改善を行い根治をすると、乱れた食生活を続けなければ再発する可能性も極めて低く、わずらわしい症状に悩まされる事もなくなります。