胸郭出口症候群とは

首から腕に伸びる神経や心臓から続く血管が圧迫される事で、腕や肩、肩甲骨周りに痛みやしびれ、重だるさが現れる症状です。
圧迫が強くなったり、長期に渡って続く事で握力の低下や細かい動作がしにくくなる運動麻痺の症状が現れる事もあります。

圧迫される部位によって名称があります。

○斜角筋症候群
頚部の前面にある前斜角筋と中斜角筋の間での血管・神経の圧迫です。

○肋鎖症候群
鎖骨と第1肋骨の間での血管・神経の圧迫です。

○小胸筋症候群
小胸筋が緊張・収縮することによりその下を通る血管・神経が圧迫されます。

これらをまとめて胸郭出口症候群と呼びます。

考えられる原因

構造的にはなで肩の女性に多いといわれていますが、重い荷物を運ぶなど腕を良く使う方や、斜角筋や小胸筋を鍛えている方に起こる事もあります。

斜角筋症候群は、多くの場合は筋緊張によるものと考えて良いように思います。
そのため過度に筋肉を鍛える事で負担が掛かっているケースや、事務仕事・パソコン業務など同じ姿勢を続ける事で筋緊張が起こっている方に発症しやすいと考えられます。

漢方治療

胸郭出口症候群に対する漢方薬は、筋肉の緊張を緩める漢方薬と閉塞を通す作用のある漢方薬の組み合わせで取り組むことが多いです。
東洋医学でいうところの太陽病位に対するアプローチで改善する事が良くみられます。

また筋緊張が原因と考えられるため、肩回りのストレッチを積極的に取り入れることで改善が早くなります。

松阪漢方堂では、漢方薬の服用に加えてストレッチのアドバイスやツボへの刺激を取り入れることで改善効果を高めるように取り組んでいます。

症例 40代・男性

1年前から続く、右腕のしびれのご相談がありました。
病院の検査では「胸郭出口症候群」によるしびれとの診断を受けています。
8ヵ月間病院の薬を服用しましたが、しびれに変化が無いために漢方薬のご相談に来店されました。

筋緊張を緩める作用のある漢方薬と閉塞を通す作用のある漢方薬をお出ししたところ、2週間後にはしびれの軽減がみられました。
1ヵ月半後にはしびれの症状が出ることは無くなりました。

漢方薬の服用に加えて、毎日自宅でツボ灸をした事や小まめに簡単なストレッチをするようになったことが順調な改善につながったと考えられます。

この方の漢方薬代金 1日あたり 400円(代金は体質・症状により異なります)