アトピー性皮膚炎

「アトピー性皮膚炎」とは、増悪・寛解を繰り返す、痒みの強い湿疹を主病変とする疾患です。
季節やストレス、食事などの影響を強く受けますが、症状が激しくなると季節を問わず1年中強い痒みに悩まされることになります。
また強い痒みの為に睡眠不足になったり、勉強や仕事に集中出来なかったり、精神的に落ち込んだりと社会生活に支障が出てしまうこともあります。

残念ながら西洋医学ではアトピー性皮膚炎はステロイド剤などで痒み、炎症を一時的に抑える以外には効果的な治療法が見つかっていません。
しかし漢方治療の場合は、体質に合った漢方薬を服用して体質改善を進めることが出来れば、時間はかかるかもしれませんが少しずつ痒みや炎症を改善していくことが出来ます。

漢方の治療では、皮膚の状態の乾湿(乾燥が強いのか、分泌物などの水分が多いのか)や湿疹の出易い部位、お身体の状態などから最も効果的な漢方薬を選んでいきます。
また罹患歴の長い方は、痒みに長く苦しめられたためにちょっとしたストレスでも激しい痒みを感じてしまうことがあります。
そのような場合は、精神的な緊張を緩める漢方薬を併用することで、掻くことで炎症を増幅させ、炎症が痒みを強くする悪循環からの脱却をはかります。

アトピー性皮膚炎の養生

症状が強く出ている間は食べ物の制限はある程度必要と思います。
共通して悪化させる傾向のある食べ物としては、精製した砂糖(白砂糖)、洋菓子全般(ケーキ、チョコレート、アイスクリーム)、砂糖の多いジュース類、質の悪い油(ポテトチップなどのスナック菓子やファーストフードなど)などがあります。

また人によって鶏卵で悪化したり、牛乳で悪化したり、山菜類やナス科の物、ウリ科の物、玄米、魚介類の赤い色素で悪化したりと様々です。

ステロイド外用薬について

漢方薬治療を始めるにあたってステロイド外用薬の使用を急に中断する方がいますが、漢方薬で体質改善が進めば自然と塗る回数を減らし、グレードの弱いステロイドに変えていくことが出来ます。

急に止める事でリバウンドが起こり炎症が激しく起こっている状態だと漢方薬で改善するにもかえって時間が掛かってしまうこともあります。
現在ステロイドを使用している方は、急に止めずに段々と使用を減らしていけるよう漢方治療に一緒に取り組んでいきましょう。

アトピー性皮膚炎と漢方治療

一般的に罹患歴が長い程、治療期間が長くなります。そのため大人よりも子供の方が改善が早いことが多いです。
まれに著効というべき劇的な改善もみられますが、基本的には腰を据えて取り組んで頂く必要があります。アトピー性皮膚炎には夏場(湿度)に症状が強くなるものと冬場(乾燥)に症状が強くなるものがあるため季節の影響を受け易く、右肩上がりの改善とはいかずに治療途中でも一時的に悪化してしまうことが多くあります。
ただし痒みや湿疹は段々と軽減していきますので、治療途中でも症状による負担は軽くなっていくと思います。

出来れば痒みや湿疹が出なくなっても服用を中断せず、体質改善が完了するまで続けると、その後の季節や環境の変化、ストレスなどによる再発を防ぐことになるので、漢方薬を卒業出来ると判断するまでお付き合い頂けたらと思います。
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