生理不順(無月経)に漢方薬

生理不順とは

西洋医学では生理の周期日数は25~38日と定義されており、これに当てはまらないものは生理不順とされています。
周期が25日未満で月経(生理)が来る場合を頻発月経、反対にいつも39日以上経たないと月経(生理)がこない場合を希発月経、3カ月以上生理がこない状態は無月経と言います。

 

生理周期は個人差が大きいため、仮に生理期間が39日ぐらいでも、生理が始まった頃から同じペースできているなら問題無いことが多いです。
これは卵を成長させるペースがもともとゆっくりなど、その人の個性のレベルと考えていい場合が多いからです。

 

生理不順の中でも早く来たり、遅く来たり生理周期が一定でないもの、生理の周期が3カ月以上のもの、何らかの原因がきっかけで突然来なくなったものなどは治療対象になります。
生理不順は漢方薬で改善出来る事も多いですが、一度は病院を受診して原因などを調べて貰う事は大切です。

生理不順の一般的な原因

ストレス、睡眠不足、自律神経の乱れ、ホルモン分泌異常、過度の疲労、食生活の乱れ、極端なダイエットなどの栄養不足、極端な冷え性などが原因となります。

生理不順の漢方的な原因

血虚(血のエネルギー不足)、瘀血(血流の悪さ、うっ滞)、気虚(気のエネルギー不足)、気滞・肝臓鬱結など。

使用される事の多い漢方薬

桂枝茯苓丸
桃核承気湯
温経湯
加味逍遙散
逍遥散
温経湯
当帰芍薬散
人参当芍散
芎帰調血飲第一加減
十全大補湯
小建中湯
六味丸
八味丸
鹿茸製品など

漢方薬による改善症例

〇20代・女性
半年程前から生理周期が2~3カ月と乱れるようになったため、漢方薬のご相談に来店されました。
生理痛も強く、毎回市販の鎮痛剤を服用しています。

 

症状の出方や糸練功の反応から、太陰病位の瘀血に使用する漢方薬をお出ししました。
養生法として冷たい飲み物は控えて、お腹を冷やさないようお伝えしました。

 

漢方薬の服用を始めて1カ月後には予定通り生理が来ました。
生理痛も軽く、いつもの生理に比べて楽に過ごす事が出来たようです。

 

その後も1カ月毎に生理が来るようになり、生理痛も大幅に軽減したため鎮痛剤を服用する必要が無くなりました。

 

〇30代・女性
20代の頃から生理周期が3カ月~半年ぐらい空く事が多いため漢方薬のご相談に来店されました。
仕事でストレスが強いようです。補血作用、気の巡りを良くする作用のある漢方薬をお出ししました。養生法として夜更かしは控える事、生理中は無理な運動を控えるようお伝えしました。

 

漢方薬を飲み始めると翌週に生理が来ました。
その後も半年以上、だいたい1カ月周期で生理がきちんと来る状態が続いています。
また毎回起きていた生理前の頭痛も気にならなくなったようです。

生理不順の養生法

体質的にホルモンバランスが乱れ易く生理周期に影響が出易いなどの個人差は確かにあると思いますが、間違った生活習慣の影響というものも少なくないように思います。

 

日頃から冷たい飲み物を常飲したり、下半身が冷えやすい服装をするなど、慢性的に身体を冷やす行為は生理周期の乱れや生理痛の大きな原因になります。
普段から温かいものを中心に摂り、下半身、特に足首周りから足先にかけて冷やさないようにするだけでも体調全般が良くなり、生理の状態にも良い効果がある事があります。

 

また夜更かしや激しい運動は、血虚というエネルギー不足の原因となり、生理周期に悪影響を及ぼす事があります。
健康の観点からみると、過度の運動は控えて気持ちの良い範囲で身体を動かすぐらいに留める方が体調には良い事が多いように思います。

生理中の過ごし方というのも大切です。

生理中は特に、身体を冷やさない、夜更かしを控える、激しい運動を控える必要があります。
生理中の無理というのは、思っている以上に身体の負担になる事があります。
生活環境や仕事の関係などで難しい事も多いと思いますが、出来る範囲で養生に気を付けるだけでも体調や症状に好転がみられる事があります。

 

生理不順は適切な漢方薬の服用と養生法で改善出来る事があります。
お困りの方はご相談下さい。

 

直接ご来店頂くのが一番望ましいのですが、遠方や事情で来店が難しい方にも対応しています。
まずは電話(0598-30-6525)かメールでご連絡下さい。