
体位性頻脈症候群とは
体位性頻脈症候群は、横になった姿勢から立ち上がった時に、心拍数が大幅に上昇し、立ちくらみ、めまい、頭痛、動悸、疲労感などの症状が現れる病気です。
症状が起きる大きな要因として自律神経のバランスの乱れが考えられます。
自律神経の働きの一つに、全身の血流量の調整があります。
立ち上がるなど姿勢が変わった際も、脳を含めた全身の血流量を自律神経が調整していますが、自律神経のバランスが乱れているとうまく機能する事が出来ません。
その結果、めまいや立ち眩み、頭痛、動悸、倦怠感などの症状が起きると考えられます。
漢方薬は自律神経疾患には高い効果を発揮する事が多く、体位性頻脈症候群も例外ではありません。東洋医学で考える原因部分(気血水の停滞や過不足)が改善されれば、漢方薬の服用を止めた後も症状が再発する可能性は極めて低くなります。
体位性頻脈症候群は、症状や体質的な傾向に合った適切な漢方薬の服用で効果が出易い疾患だと思います。
直接ご来店頂くのが一番望ましいのですが、遠方や事情で来店が難しい方にも対応しています。
まずは電話(0598-30-6525)かメールでご連絡下さい。
使われる事の多い漢方薬
苓桂朮甘湯
苓桂甘棗湯
連珠飲
桂枝加竜骨牡蛎湯
柴胡桂枝湯
柴胡桂枝乾姜湯
抑肝散
抑肝散加陳皮半夏
当帰芍薬散
人参当芍散
桂枝人参湯
人参湯
真武湯など
大切なのは身体の状態に合った適切な漢方薬を服用する事です。
体調に合わない漢方薬を服用すれば、かえって調子を崩す事もあります。
改善症例
〇中学生・女性
2年前から毎日、頭痛や倦怠感、めまい、不安感、朝起床出来ないなどの症状があり、体位性頻脈症候群と診断を受けています。そのため学校にも殆ど通えていないようです。
また生理不順や生理痛もあり、生理前には症状が悪化する傾向にあります。
他店で3カ月程漢方薬の服用を続けましたが、症状が改善されないためご相談に来店されました。
症状の出方や体質的な傾向から、気血の巡りを良くする作用のある漢方薬と温める作用のある漢方薬、ミネラル製品をお出ししました。
漢方薬の服用を始めて1カ月後
頭痛や倦怠感は、少しずつですが減ってきたようです。
2カ月後
頭痛や倦怠感は10→3程度に減ってきました。
学校に通える日も増えてきました。
不安感などを感じる事も減ってきたようです。
3カ月後
めまいは起きなくなりました。
頭痛はたまにある程度になり、倦怠感もそこまで気にならなくなったようです。
泊りがけの学校行事にも参加出来ました。
半年後
天気や気圧の影響はある程度ありますが、体調を大きく崩す事は無くなりました。
朝も以前よりすいぶんと起き易くなり、血圧も80代から100前後になりました。
その後も調子が安定していたため、服用期間1年で漢方薬の服用を終了する事が出来ました。
その時々の体調や症状にあわせて、血虚を補う漢方薬や理気作用のある漢方薬を組み合わせながら改善に取り組み、おおむね調子を崩す前の体調に戻ったようです。
この方の漢方薬代金 1日あたり600~800円(税別)
〇高校生・男性
小学生の頃から原因不明の倦怠感に悩まされています。
1カ月ほど前から一段と調子が悪くなり、学校にも通えなくなったため漢方薬の相談に来店されました。病院の検査で「体位性頻脈症候群」の可能性があると診断を受けています。
主な症状として、倦怠感、頭痛、食欲不振、吐き気などがあります。
自律神経のバランスを整える事を目的とした漢方薬と、気の巡りを良くする補助剤をお出ししました。
漢方薬を飲み始めて2週間後
頭痛や吐き気は無くなり、食欲も少しずつ出てきたようです。
ただし倦怠感には変化はありません。学校も休んでいます。
1カ月後
起床後にはまだ倦怠感がありますが、昼以降は調子が良くなってきたようです。
頭痛は無くなっています。
1か月半後
起床直後から感じていた倦怠感は無くなりました。学校にも朝から行ける事が増えてきました。
前回からしばらく調子が良かったようですが、この2~3日間は昼や夕方以降から倦怠感が起きるようです。
自律神経に対する漢方薬とミネラル製剤に変更しました。
2カ月後
変な倦怠感が起きる事は無くなりました。
毎日学校にも通えているようです。
3カ月後
引き続き調子は安定しています。特に気になる症状も無いようです。
漢方薬の量を減らし始めました。
5カ月後
漢方薬の量を減らした状態でも、調子が安定しているため漢方治療を終了しました。
この方の漢方薬代金 1日あたり600円(税別)
体位性頻脈症候群に対する養生法
体位性頻脈症候群の大きな原因の一つに自律神経のバランスの乱れが考えられます。
そのため自律神経に悪影響を及ぼす可能性のある事は控えた方が良いです。
就寝直前までスマートフォンやパソコンを使用していると、脳が興奮したまま眠る事になり睡眠の質を大幅に下げる事になります。自律神経に対する悪影響も大きい可能性があります。
出来れば就寝1時間前には使用を控えるようにして下さい。
寝付けないなど睡眠に問題が無い場合は、夜更かしは控えて早めの就寝を心がける事も大切です。
温める作用のある漢方薬の服用で、体位性頻脈症候群が改善するなど、身体の冷えが原因の一つになっているケースがしばしばあります。
胃腸を冷やして良い事はありませんので、普段からアイスクリームや冷たい飲みものの摂り過ぎは控えた方が良いと思います。
水分補給について
利水作用、水の巡りを良くする作用のある漢方薬が改善に必要なケースがとても多いです。
これは身体のなかで水の巡りが悪くなり、水が渋滞している事を現しています。
ただでさえ水が渋滞しているところに頑張ってたくさん水分を摂ると、ますます余分な水が溜まり、余計に調子が悪くなるケースがしばしばあります。
大切なのは水が淀みなく体内を流れる事です。
もちろん水分摂取が少な過ぎる事は良くありませんが、がんばってたくさん飲むのは控えた方が良いと考えています。
身体の要求に従って、飲みたい時に適度に飲むのがいちばん良いと思います。
胃の辺りからポチャポチャ音がするようでしたら、あきらかに飲み過ぎです。
昔から養生7分、医は3分と言われるように、生活・食事の養生というのが何よりも大切です。
出来る範囲で少しでも養生を心がける事で、漢方薬の改善効果が高くなると思います。
体位性頻脈症候群は漢方薬で効果の出易い疾患だと思います。
お困りの方はご相談下さい。
その他の自律神経の乱れによる症例はこちらをご覧下さい。