自律神経失調症と漢方薬

自律神経のバランスを漢方薬で整えましょう。

病院の検査では異常が見付からないにも関わらず、心身の不調が続く。
このような症状は、自律神経のバランスの乱れが原因となっている事があります。

 

はっきりとした原因が分からないため、有効な治療を受けることが出来ずに、症状が長引いてしまう事も少なくありません。また原因がはっきりしない事で、周囲の理解をなかなか得られないという事もあるようです。

 

東洋医学の世界では、古くから自律神経失調症が原因で起きる様々な症状に取り組んできた歴史があります。松阪漢方堂で一番多いご相談が、自律神経失調症に関わるご病気です。
体質や症状に合った漢方薬の服用を続ける事で、少しずつ自律神経のバランスが整い、お悩みの症状が改善していく事を多く経験しています。

 

ストレス社会と呼ばれるような社会環境や、生活習慣の乱れ、スマートフォンの普及などが原因で、自律神経失調症でお悩みの方は増加傾向にあると言われています。

 

自律神経失調症は、漢方薬の得意分野です。
漢方薬を飲み始めると、1〜2週間ほどで改善が始まる方もいれば、効果を実感できるまで3ヶ月ほど掛かる方もいます。
今までの経験上、きちんと服用を続けて頂ければ7割ぐらいの方は改善するように感じています。

自律神経失調症の症例①

①20代・女性 パニック障害
2ヵ月程前から、動悸や不安感、息苦しさ、喉の詰まり、手足のしびれが起きるようになったために漢方薬のご相談に来店されました。
起床時や車の運転、人混みなどで、特に症状が強く現れます。
睡眠も浅くなり、夜中に何度も目が覚めるようになってしまいました。

 

病院では「パニック障害」と診断を受けて、頓服としてレキソタンを処方されています。

 

漢方薬を飲み始めると2カ月後には、動悸や手足のしびれは起きる事が無くなり、夜もぐっすり眠れるようになりました。不安感や緊張感もだいぶ起こりにくくなってきました。
3カ月後には、息苦しさや喉の詰まりも消失して、レキソタンを服用する必要も無くなりました。

 

この方の漢方薬代金 1日あたり600円(税別)

 

②70代・女性(うつ症状)
2ヵ月程前から、気持ちが落ち込み、気力が出なくなったとご相談がありました。

 

今までは苦にならなかった家事もやる気が起きないようです。
ため息をついたり、椅子に座ってぼーっとする時間が増え、「老人性うつ病」ではないかと心配をされていました。

 

うつ症状に対して気の巡りを発散する漢方薬をお出ししたところ、症状が出だしてからそれほど期間が経っていない事もあってか、漢方薬を飲み始めて1週間ぐらいで改善が見られました。

 

気持ちの落ち込みが薄れて、身体を動かす気力が出てきたようです。変な倦怠感も無くなり、以前のように家事が出来るようになり、気持ちも明るくなったと喜んで頂きました。

 

漢方薬代金 1日あたり400円(税別)

 

③40代・女性
1年程前から、不安感、動悸、めまい、喉の詰まりなどの症状が現れるようになりました。
職場の部署が変わるなどで、強いストレスを感じる事が多かったご様子です。
病院の薬を飲むのは抵抗があるとの事で、病院受診はしていませんが、症状的にはパニック障害のように思われます。

 

漢方薬を飲み始めて2週間ぐらいすると、少し調子の良さを感じたご様子でした。
その後は一進一退はありましたが、少しずつ改善が進み、1年後には上記症状が起きる事は無くなりました。その後しばらく再発予防のために服用を続けて頂き、自律神経に対する漢方薬を終了しました。

 

この方の漢方薬代金 1日あたり500円(税別)

 

④30代・女性 不安神経症
二十歳ぐらいから心身の不調に悩まされてきましたが、最近悪化傾向にあるとの事で漢方相談に来店されました。以前病院を受診した際には、不安神経症と診断されたようです。

 

特に寝る前に不安感や動悸、マイナス思考が起こってしまうご様子です。
症状の軽減を感じるまでに2カ月近くかかりましたが、その後は多少の波はあるものの比較的順調に改善が進みました。
服用開始から1年後には眠る前の不安感や動悸は消失して、調子の良い状態が続いたため段階的に服用量を減らし、漢方薬を終了する事が出来ました。

 

この方の漢方薬代金 1日あたり700円(税別)

 

⑤30代・男性 不眠症
不安感や緊張、動悸、喉の詰まりや不眠症状が長く続いています。
心療内科で薬の服用を続けていた時期もありましたが、改善には至らなかったようです。

 

漢方薬の服用開始して1カ月を過ぎる頃から、まずは睡眠状態が安定するようになりました。
その後は、良い状態と調子の悪い状態を繰り返しながらも、少しずつ症状の改善が見られました。

 

漢方薬の服用から1年後には、動悸や喉の詰まり感は起こらなくなりました。
以前は朝方まで寝付けない事も多かったですが、布団に入ってスムーズに寝付けるようになりました。頻繁に起こっていた理由の無い不安感や緊張感も殆ど気にならなくなったため、服用期間1年半で漢方薬の服用を終了しました。

 

この方の漢方薬代金 1日あたり600円(税別)

自律神経失調症によって起きる症状

自律神経とは、心臓を動かしたり汗をかいたり、自分ではコントロール出来ずに自動的に働く神経の事です。交感神経と副交感神経のバランスの上で色々な身体機能の調整を行っていますが、このバランスが崩れる事で様々な症状が現れます。

 

主な症状
・動悸、めまい、喉の詰まり、頭痛や頭の違和感、息苦しさ、舌や口内の違和感、ほてり、耳鳴り、便秘・下痢、頻尿、倦怠感、不眠、手足のしびれなど。
また原因不明の痛みなどが、自律神経症状の一つである知覚神経異常として現れる事もあります。

 

精神症状として
・イライラ、不安感、気持ちの落ち込み、やる気が出ない、ゆううつ、感情の起伏が激しい、あせりを感じる、などがあります。

自律神経症状に対する漢方薬

基本的には、既存の1種類の漢方薬だけでは改善が難しいケースが多いと感じています。
2種類の漢方薬を組み合わせたり、漢方薬と補助剤を組み合わせる事で改善効果を高めるように取り組んでいます。

 

大切なのは症状や体質に合った漢方薬を服用するという事です。
誰にでも効く万能な漢方薬というのはありません。

 

気持ちを落ち着ける作用や、気の巡りを良くする作用のある生薬が組み込まれている漢方薬が多く使われる傾向にあります。
・逍遥散
・加味逍遥散
・半夏厚朴湯
・苓桂朮甘湯
・桂枝加竜骨牡蠣湯
・柴胡加竜骨牡蠣湯
・桃核承気湯
・柴胡桂枝乾姜湯
・香蘇散
・帰脾湯
・加味帰脾湯
・四逆散
・抑肝散
・釣藤散
・その他漢方薬や補助剤

 

自律神経のバランスが乱れる主な原因

精神的なストレス
仕事や人間関係などによる過度の精神的なストレスは、自律神経が乱れる大きな原因となります。

 

生活習慣
夜更かしや夜勤などの生体リズムに合わない生活。
また偏った食生活による、慢性的なミネラル不足なども原因となります。
長時間のスマートフォンや携帯ゲームなど、過剰な脳の興奮を引き起こすもの。

 

女性ホルモンの影響
妊娠・出産や更年期など急激な女性ホルモンの変化は、自律神経の働きに影響を与えます。

 

性格的な傾向
感受性が豊かだったり、繊細な性格というのは決して悪いことではありませんが、時として精神的なストレスに過剰に反応してしまう事があります。

 

頚椎の歪み

頚椎を中心とした骨格の歪みが自律神経を圧迫する事で、様々な症状の原因となる事があります。

自律神経のバランスの乱れと関係の深い診断名

パニック障害
突然起こる激しい動悸やめまい、手足の痺れ、息苦しさなどの身体症状と強い不安感が起こる疾患です。パニック障害でお悩みの方が増えていると言われていますが、漢方薬で改善出来る事の多い疾患です。

 

心臓神経症
心臓には異常が無いにも関わらず、胸痛、 動悸、息切れ、呼吸困難などの症状が現れます。
心臓は、大腸、膀胱とならんで自律神経の影響を受けやすい臓器です。

 

不眠症
なかなか寝付けない、夜中に目が覚める、早朝に目が覚める、睡眠が浅く寝た気がしないなど。

 

起立性調節障害
自律神経のバランスが乱れる事で、脳内血流の調節がうまくいかず、立ちくらみ、朝起きられない、倦怠感などの症状が現れます。頭を動かすとめまいがする症状は、自律神経バランスの影響を受けている事が多くあります。

 

過敏性腸症候群
大腸に異常が無いにも関わらず、下痢や便秘、腹痛、ガス過多による下腹部の張りなどの症状が起こる疾患の事です。食事内容が原因のケースもありますが、ストレスによる自律神経の乱れから起きている事も多いです。

 

頻尿・過活動膀胱
膀胱の不随意(自分の意志に反した)の収縮により、頻尿や尿意切迫感が起こる排尿障害です。
冷えや加齢による排尿に関する筋力の低下が原因の事もありますが、漢方薬で自律神経のバランスを整える事で改善するケースも多くあります。

 

強迫性障害
自分でもおかしいと分かっていても、自分の意思に反して嫌な考えを打ち消す事が出来ない。
分かっていても何度も同じ確認、行為を繰り返してしまう事で日常生活に支障が出てしまう病気のことです。例えば不潔に思えて過剰に手を洗う、戸締りを何度も確認せずにはいられないなどです。

 

喉の詰まり・咽喉頭異常感症
食道やのどに異常が無いにも関わらず、のどに異物感や詰まりを感じる疾患です。

 

舌痛症・口内異常感症
器質的な原因が無いにも関わらず、舌に痛みや乾燥、違和感を感じる疾患です。
舌痛症は、非常に痛みが強いにも関わらず、食事中は気にならないなどの特徴があります。

 

手掌汗・発汗異常
手掌や足の裏などの発汗は交感神経の支配領域です。
そのため自律神経バランスの影響を大きく受けます。
また首から上の過度の発汗も自律神経を整えることで改善するケースがあります。

 

産後うつ更年期障害
女性ホルモンの急激な変化で引き起こされると考えられています。
女性ホルモンの変化は、自律神経の働きに影響を与えます。
このような場合も自律神経を整えることで、産後うつや更年期障害に伴う症状が改善する事が多いです。

 

〇心因性疼痛・心因性腰痛など
痛みの原因となる器質的な異常が無いにも関わらず、強い痛みが続きます。
痛みの場所が頻繁に移動したり、ストレスで明らかに増悪する事もあります。

 

自律神経失調症の症例②

⑥30代・女性(無気力、倦怠感)
2年前から仕事や家族とのストレスから気力の低下、倦怠感などの症状に悩まされています。
働けなくなり仕事も止めて、今は短時間のアルバイトをしています。また頭痛やめまい、便秘、浮腫みなどの症状もあります。

 

漢方薬を飲み始めると、それまでに比べて気持ちの落ち着きを感じたようです。
また便通が良くなってきました。

 

服用3ヵ月を過ぎると、体調も精神面も安定してきたため、仕事を再開する事が出来ました。
冷えや浮腫みも、今までと比べて調子が良いようです。

 

漢方薬代金 1日あたり500円(税別)

 

⑦40代・女性(運転中の不安感)
10年程前、高速道路の運転中に突然、動悸や息苦しさ、不安感におそわれました。
それ以来、運転時に時々不安やめまい、動悸などが起きるようになりました。

 

高速道路や知らない道を運転するのが、特に不安との事です。

 

漢方薬を飲み始めると、少しずつ運転中も落ち着いていられるようになってきました。

 

服用開始から5ヶ月後には、以前のように運転中に怖さを感じる事がなくなってきました。
7カ月後には知らない道を運転しても、大丈夫になりました。
運転に自信がついたとの事で、漢方治療も終了する事が出来ました。

 

漢方薬代金 1日あた600円(税別)

 

⑧30代・女性(産後の不調)
2ヵ月前に出産をされましたが、1ヵ月前から心身の調子を崩されたため漢方薬のご相談に来店されました。頭がふわふわしたり、急に血の気がひく、気分が悪くなるなどの症状があります。
気持ちの落ち込みやいらいら、手足のしびれなども起こります。

 

出産後の急激なホルモンバランスの変動による自律神経症状と考えて、自律神経のバランスを整える漢方薬をお出ししました。
また産後の体力回復のために、牡蠣肉エキスも併用して頂きました。

 

服用後2週間で、少し頭がふらつく以外の症状は消失しました。1カ月後には、頭のふらつきも殆ど気にならなくなったようです。

 

漢方薬代金 1日あたり700円(税別)

その他の自律神経失調症に対する症例はこちらをご覧ください。

 

直接ご来店頂くのが一番望ましいのですが、遠方や事情で来店が難しい方にも対応しています。
まずは電話(0598-30-6525)かメールでご連絡下さい。