舌痛症とは

舌痛症とは、舌自体には異常が無いにも関わらず慢性的に痛みや痺れの症状が続く事です。
はっきりとした原因は分かっていませんが、ストレスなどの心因的要因による自律神経の乱れ(知覚神経異常)が原因とも考えられています。

 

40歳~60歳前後の女性に多い傾向があります。

 

歯科治療の後から舌が気になりだして、症状が発生する事も多いようです。
また強いストレスを受けた後から、舌の痺れや痛みが起き出すケースも多いと言われています。

舌痛症の特徴

舌の症状のため食事の際には痛みや痺れが増強されそうなイメージがありますが、舌痛症の場合は食事中はかえって痛みが軽減、消失をする傾向にあります。
また痛みで睡眠困難になったり、睡眠中に目が覚めるという事も無いといわれています。

 

痛みは1日の中でも変動して、他の事に意識が集中している時には気にならない特徴があります。
起床直後や午前中は比較的落ち着いていますが、夕方や夜にかけて症状が強くなることが多いようです。

 

同じ舌の痛みでも真菌が原因となる口腔カンジダ症の場合は、食事によって増悪する、痛みが1日中持続するなどの違いがあります。

舌痛症の治療法

舌自体には異常が見つからず原因もはっきりしていないため、有効な治療方法は見つかっていません。
そのためいつまでも症状が改善されずに、長い期間にわたって舌痛症の症状に苦しまされる方も少なくありません。

 

ストレスなどの心因的要因が深く関わっていると考えられているため、抗うつ剤が処方される事もあるようです。

舌痛症に対する漢方治療

松阪漢方堂でも舌痛症の多くは、自律神経・知覚神経の乱れとして改善に取り組んでいきます。
症状の根底には、ストレスや不安感などの心因的要素が大きく関わっている事が多いように感じられます。

 

抗うつ剤などの薬と比べると、漢方薬の場合は依存性が無い、病院薬のような副作用が無いなどの利点があります。
また抗うつ剤では効果が無いケースでも、漢方薬で改善出来る事も多いです。

 

使われる事の多い漢方薬
・苓桂朮甘湯
・桂枝加竜骨牡蛎湯
・連珠飲
・半夏厚朴湯
・加味逍遥散
・逍遥散
・四逆散
・抑肝散
・柴胡桂枝乾姜湯
・柴胡加竜骨牡蛎湯
・柴胡桂枝湯
・柴胡疏肝湯
・桃核承気湯など

舌痛症に対する漢方治療

〇50代・女性 舌の痛みと味覚障害

 

1年半ほど前から舌の痛みと味が分かりにくい状態が続いているため漢方薬の相談に来店されました。

 

舌自体には異常が見られず、心身クリニックで処方された抗うつ剤を服用した事もあるが効果は感じられなかったようです。
知覚神経異常を改善する事を目的に2種類の漢方薬をお出ししました。

 

漢方薬の服用を始めると少しずつ味が分かり易くなり、1カ月後には味覚は元に戻りました。
舌の痛みもあったり無かったりで波は大きいですが、漢方薬の服用前よりはだいぶ落ち着いてきたようです。

 

その後も調子が良い時期、悪い時期はありましたが、段々と良い状態が多くなり、半年後には殆ど痛みを感じる事は無くなりました。
たまにわずかに痛みを感じる事はあっても短時間で落ち着くようになりました。

 

この方の漢方薬代金 1日あたり600円(税別)

 

〇70代・女性 舌の痛み

 

3カ月前から舌先から舌の表面がピリピリ、ヒリヒリと痛むようになりました。
食事中には痛みは無くなるようですが、舌先が赤く味の濃い物だとそこが沁みるようです。

 

症状が出始めた時期に気を使う事が多く、ストレスを強く感じていたとの事です。

 

耳鼻科で亜鉛、ビタミン剤を服用して効果が無く、その後ペインクリニックでサインバルタを処方されています。
サインバルタを服用すると一時的に楽になりますが、副作用が心配なため漢方薬で改善出来ないかとご相談に来店されました。

 

痛みの改善を目的とした2種類の漢方薬と舌の粘膜の改善を目的とした煎じ茶をお出ししました。

 

服用を始めて2週間後にはピリピリとした舌表面の痛みは大幅に軽減しました。
調子が良いのでサインバルタの服用も止めたようです。

 

1カ月後には更に調子が良くなり、日常生活での支障は殆ど無くなったようです。

 

この方の漢方薬代金 1日あたり650円(税別)

舌の乾燥感・違和感

舌に関する症状としては、舌痛症のような痺れや痛み以外にも、舌の乾燥感などの違和感や味覚障害(口の中が苦い、酸っぱいなどの味覚の異常、味がしないといった味覚の消失)などがあります。

 

舌の乾燥感の原因として、ストレスや薬の副作用、口呼吸の習慣などがあげられる事が多いです。
口の渇きに加えて眼の渇きも伴う場合は、シェーグレン症候群という自己免疫疾患の可能性も考えられます。

 

漢方治療を行う際には、舌の乾燥感に対しては改善すべき原因を①自律神経のバランスの乱れ②中焦の熱証(身体の中に余分な熱が籠っている状態)に大きく分けて考えます。

舌の違和感・乾燥感の症例

40代・女性
1年程前から舌の乾燥感、ざらざらするなどの違和感が気になるようになりました。
病院ではビタミン剤や亜鉛などを処方されましたが、改善しないため漢方相談に来店されました。

 

中焦の熱証を改善する漢方薬をお出ししたところ、ある程度の改善はありましたが、そこから改善が停滞してしまいました。
そこで自律神経のバランスを整える漢方薬に切り替えたところ、少しずつ違和感、乾燥感が軽減して、気にならなくなってきました。

 

漢方治療を開始して半年後。
以前は仕事中も舌の違和感がしきりに気になっていましたが、殆ど意識することが無くなりました。

 

そのまま良い状態が続き服用期間1年で漢方治療を終了しました。

 

この方の漢方薬代金 1日あたり 500円(税別)

 

舌痛症や舌の違和感、味覚障害などの症状は、病院にかかっても原因が特定出来ずに、何年も症状が続いてしまう事も少なくありません。
そのようなケースに対して、漢方薬が有効に作用して症状が改善、消失する事も多いです。

 

直接ご来店頂くのが一番望ましいのですが、遠方や事情で来店が難しい方にも対応しています。
まずは電話(0598-30-6525)かメールでご連絡下さい。