変形性股関節症とは

股関節を形成している「関節軟骨」がすり減り、クッションの働きが損なわれたり、変形してしまう事で痛みや可動域の制限が起きてしまう病態です。

加齢によって徐々に関節軟骨がすり減り発症する事もありますが、「先天性股関節脱臼」と「臼蓋形成不全」を原因とするケースが多く、女性に多いという特徴があります。

先天性股関節脱臼

以前は生まれた時から先天的に股関節が外れていると考えられていましたが、現在は自然な姿勢を妨げられる事で後天的に起こるケースが多いと考えられています。

臼蓋形成不全

臼蓋(股関節の屋根の部分)の不完全な発育により大腿骨頭への被りが浅い状態で、先天性股関節脱臼に起因するものと、成長期に臼蓋の発育が正常に進まない後天的なものとがあります。

変形性股関節症の症状

股関節の痛み、可動制限が起きる事で、正座をする、靴下を履く、足の爪を切るといった動作が難しくなります。進行すると痛みが強くなり、長く歩いたり、立ち続けたりする事も困難になってきます。
場合によっては持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)に悩まされる事もあります。

治療方法

・保存療法
痛み止めの服用、筋力強化訓練、体重のコントロール、はきものの調整、杖の使用、安静をはかるなど股関節への負担を減らします。

・手術療法
自分の骨を生かして行う関節温存手術と人工股関節置換術があります。

変形性股関節症に対する漢方治療

漢方薬の治療を行っても、すり減った関節の軟骨が完全に元のように戻るわけではありません。
しかし漢方治療を行う事により下記のような改善は可能だと考えられます。

①関節軟骨の摩耗、変形の進行を止め、関節を丈夫にする。
②関節周囲の緊張緩和や血流、浮腫みを改善する事で痛みを改善する。
③同様に関節可動域を改善する。

使われる事の多い漢方薬

・桂枝加朮附湯
・越婢加朮附湯
・防己黄耆湯
・疎経活血湯
・五積散など
症状や体質によって使い分けます。

関節の痛みは漢方薬の得意分野の一つです。

また無料で行っているツボへの刺激によって、可動域の改善や痛みの改善が早まると考えています。

歩行時や立位時の痛みや関節可動域が改善することで、毎日の生活に支障が無くなるよう取り組んでいければと考えています。
変形性股関節症でお困りの方はご相談下さい。