最初の症例は、個人的な事ですが自分自身の経験を載せたいと思います。
太陽堂漢薬局に勤め始めてしばらくした頃に、空腹時の胃の痛みに悩まされるようになりました。
食事をすると痛みは無くなるのですが、空腹になるとほぼ毎日痛みが出てしまいます。

胃炎の軽い症状だと思い、胃酸過多に使われる事の多い漢方薬を飲むようにしました。
この漢方薬には即効性が有るために、服用して少し時間が過ぎると痛みが無くなりますが、やはり翌日になると痛みが出きてしまいます。
延胡索という止痛作用に優れた薬味が入っている為、一時的には痛みが改善されますが、自分の胃痛にはぴったりと合っていないように思いました。

舌診にて、舌の根本の部分の苔が他に比べて厚くなっているのを目標に少陽病位に対する漢方薬に変えた所、3日程で痛みが無くなりました。
そのまま1週間ほど飲み続けて服用を止めましたが、その後は二度と胃痛は出なくなりました。

一般的に漢方薬は長期間飲まないと効果が出ないイメージがありますが、症状が出てすぐに飲み始めると思いの外短期間で改善することも珍しくありません。

風邪の初期に漢方薬を飲むと発汗して一晩ですっきりと治ることは良くあることです。
ただし拗れた症状や長く続いた症状、体質改善が必要な疾患は腰を据えてじっくりと取り組む必要があります。

胃痛でお困りの方は、一度ご相談頂ければと思います。