50代・女性
膀胱の違和感・痛みと下腹部の差し込むような強い痛みが続いており、膀胱水圧拡張術での点状出血とハンナ病変が確認されたため、間質性膀胱炎と診断されました。
膀胱水圧拡張術及び電気凝固術を受けましたが、症状が改善されないため漢方相談に来店されました。
膀胱のムズムズとした違和感、強い痛み、下腹部の差し込むような痛みが一日中続いています。
膀胱に尿が溜まると痛みが助長されるため、小まめにトイレに行きます。また少し前から、太腿にもムズムズした違和感が広がってきました。
ロキソニンを服用しても、ほとんど痛みは改善されません。
問診と糸練功の結果から、膀胱に対する漢方薬と知覚神経症状に対する2種類の漢方薬をお出ししました。
漢方薬を飲み始めて2週間後
下腹部の差し込むような強い痛みが、消失しました。
また最近出始めていた、太腿のむずむずした違和感も無くなりました。
1か月後
膀胱の違和感や痛みも、大幅に改善してきました。
他の事に気を取られていると、忘れている事もあるそうです。
2カ月後
膀胱の痛みは、ほとんど感じないまでに改善しました。
ただし排尿後に、しばらく膀胱の違和感が続きます。
また長く歩いたり、膀胱が圧迫されると違和感が出てくるようです。
強い痛みが再発したらどうしよう・・という恐怖感がしばしば起きてしまいます。
3カ月後
痛みのために仕事を辞めていましたが、アルバイトとして再開する事が出来ました。
仕事中などは忘れていますが、空いた時間などでは必要以上に膀胱の事を気にしてしまいます。排尿後は、30分ぐらい違和感が気になる状態が続いています。
半年後
この頃から、1日中気にならない日が出てきました。
仕事中に3時間以上トイレに行かなくても、大丈夫になりました。
排尿後の違和感はありますが、以前に比べると早く落ち着くようになってきました。
9ヶ月後
間質性膀胱炎に伴う症状は、殆ど消失しました。
排尿後の違和感も無くなりました。
この時期から漢方薬の分量を減らし始めました。
13ヶ月後
漢方薬の量を1/3に減らしても症状が消失したままだったため、漢方治療を終了しました。
間質性膀胱炎とは膀胱に原因不明の炎症が起こる事で、膀胱や尿道の違和感や痛み、トイレが近くなるなどの症状が現れる病気です。
ハンナ型の間質性膀胱炎は、膀胱の内視鏡でハンナ病変と呼ばれる特有の異常がみられ、症状もより深刻なものとなる事が多く難病指定を受けています。
間質性膀胱炎には現時点では有効な治療法が無く、長期に渡って症状に悩まされる方も少なくありません。
なかにはあまりに辛い症状が続くため、膀胱自体を摘出する手術が行われる事もあるようです。
この方の場合は漢方薬の服用を開始して数日後に、瞑眩反応と思われる一時的な症状の悪化があり、その後急速に痛みに改善がみられました。
その後は膀胱の違和感と痛みの恐怖感から膀胱を過剰に意識する状態が続いていましたが、最終的に違和感が消失して、膀胱を気にする事も無くなったため、漢方治療を終了する事が出来ました。
この方の漢方薬代金 2種類の漢方薬 1日あたり 700円(税別)(症状、体質により代金は異なります)
間質性膀胱炎についてその他の症例はこちらをご覧下さい。