結婚して2年以上経つが、なかなか妊娠しないという相談を受けました。

体質や基礎体温表などから判断して温経湯の服用を始めた所、3か月後には妊娠するという嬉しい結果になりました。
温経湯には女性機能を若返らせる働きがあり、40歳前後の不妊治療に使用することが多い漢方薬です。
本来の不妊治療では、漢方薬で体質改善を行い半年過ぎるぐらいで妊娠する事が多いのですが、何年も子供に恵まれなかった方が、漢方薬服用3ヶ月ぐらいで妊娠するということも決して珍しい事ではありません。

妊娠初期は悪阻(つわり)の症状が強く出てしまったので、悪阻に対する漢方薬をお出しして何とか乗り切りました。

また妊娠後期になるともともと持っていた痔核、脱肛の症状が悪化してきてしまいました。
妊娠中は胎児が大きくなることで子宮が腸を圧迫したり肛門の血流が滞り易くなるため、どうしても痔の症状が悪化してしまう事が多くあります。

脱肛に対する漢方薬は妊娠中でも服用に問題の無い漢方薬だったのですが、痔核に対する漢方薬は妊娠中はあまり使いたくない強い漢方薬(瀉剤)でした。そのため妊娠中でも安心して使える代用品の漢方薬をお出しした所、大幅に脱出や痛みの症状を改善する事が出来ました。

出産直前には再び悪化してしまいましたが出産後服用を再開すると再び順調な症状の改善があり、「漢方薬のおかげで痔の症状がそこまで悪化せずに済みました」と喜んで頂きました。
赤ちゃんは元気な女の子でした。