二つ目は身内の症例ですが、母の耳鳴りを載せたいと思います。
母は20年前ぐらいから耳鳴りの症状が出るようになり、私が鍼灸の資格を取ってからは帰省する度に鍼灸治療をしていました。
鍼やお灸をすると3日~5日ぐらいは耳鳴りが2割ぐらいの大きさに改善されますが、お盆や正月にしか治療出来ない事もあり暫くすると元に戻ってしまいます。
一部の急性症状や著効といわれる劇的な改善を除き、慢性疾患は罹患歴が長ければ長い程、継続的な治療を行い病態を根本から改善する必要があります。
そこで耳鳴りと耳の中の痒みの症状に対して改善効果があると考えられる漢方薬を送る事にした所、段々と耳鳴り、痒みの改善が見られ半年程で2割ぐらいの大きさに改善しました。
本来は耳鳴りが消失するまで漢方薬の服用を続けることが望ましいのですが、母がもうあまり気にならないと満足していることもあり現在は服用を中止して様子を見ています。
東洋医学的には、耳鳴りは大きく分けると腎虚による耳鳴りと気の上衝による耳鳴りがあります。腎虚に対しては良く歩く、良く噛んで食べるといった腎を強める養生法、気の上衝に対しては発散作用のある葉の物を多く食べたり、適度に身体を動かすことで気の巡りを良くする事をお勧めしています。