高校生・男性
小学生の頃から原因不明の倦怠感に悩まされています。
幾つかの病院でMRIなどの検査をしましたが、特に異常は見つかっていません。
1カ月ほど前から一段と調子が悪くなり、学校にも通えなくなったため漢方薬の相談に来店されました。
主な症状として、倦怠感、頭痛、食欲不振、吐き気などがあります。
症状の出方や糸練功の反応から、自律神経を整える漢方薬と補助剤をお出ししました。
起立性調節障害の改善に用いる事の多い漢方薬です。
養生法として、スマートフォンの過度の使用、特に寝る直前まで使用する事は控えるようにお伝えしました。
漢方薬を飲み始めて2週間後
頭痛や吐き気は無くなり、食欲も少しずつ出てきたようです。
ただし倦怠感には、変化はありません。学校も休んでいます。
病院で改めて検査をしたところ「体位性頻脈症候群」の可能性があると診断を受けたようです。
体位性頻脈症候群とは、起立性調節障害の一種で起立直後に上がった心拍数がなかなか下がらない病態の事です。
代表的な症状に倦怠感や頭痛があります。
糸練功で調べなおして、自律神経に対する漢方薬は同じものを引き続き飲んで頂き、補助剤を脾虚を補い身体を元気にする漢方薬に変更しました。
1カ月後
起床後にはまだ倦怠感がありますが、昼以降は調子が良くなってきたようです。
頭痛は、引き続き起きていません。
ある程度睡眠がとれているにも関わらず、起床直後や午前中に倦怠感が強い場合は、自律神経のバランスの乱れによる事が多いです。
漢方薬は同じものをお出ししました。
1か月半後
起床直後から感じていた倦怠感は無くなりました。
前回からしばらく調子が良かったようですが、この2~3日間は昼や夕方以降から倦怠感が起きるようです。
ちょうど春休み明けで学校にも通い出した時期のため、体力や栄養面からの倦怠感も含まれているように感じました。
自律神経に対する漢方薬は同じものを、脾虚を補う漢方薬を、即効性に期待して牡蠣肉製剤に変更しました。
食養生として、小魚や海藻類などミネラルが豊富な物を少し多めに食べるようにお伝えしました。
2カ月後
変な倦怠感が起きる事は無くなりました。
春休み以降は毎日学校にも通えているようです。
3カ月後
引き続き調子は安定しています。特に気になる症状も無いようです。
漢方薬の量を減らし始めました。
5カ月後
漢方薬の量を減らした状態でも、調子が安定しているため漢方治療を終了しました。
養生法をきちんと守って頂いた事もあり、順調な改善がみられたと思います。
起立性調節障害や体位性頻脈症候群といった自律神経のバランスの乱れが関係する症状は、適切な漢方薬の服用とスマートフォンの過度の使用を控えるなどの養生を守る事で改善出来る事が多い疾患だと思います。
この方の漢方薬代金 1日あたり600円(税別)(体質、症状により代金は異なります)