1日中移動する両下肢の痛み

〇40代・女性

半年程前から仕事内容が変わり、重い荷物をもって長距離を歩くようになってから、足に痛みが出るようになりました。

 

整形外科でレントゲンを撮りましたが異常は無く、塗り薬だけ処方されました。
しかし痛みはどんどん酷くなり、夜中も激痛で目が覚めるようになってしまいました。

 

複数の整体院や整骨院で治療を受け、仕事も止めた事で強い痛みは無くなり、歩行にも支障は無くなりました。

 

しかし両足の膝から足首までの間を、痛みが移動しながら、左右同じところが同じタイミングで痛くなるようです。

 

痛みは激しいものでは無く鈍い違和感で、特に座り続けている時や起床時、台所仕事中に強く感じます。入浴中は殆ど気にならないようですが、基本的には強弱はあるものの両足とも1日中痛みが続きます。

 

2カ月近くそのような状態が続いているため、このまま痛みが治らないのでは無いかと不安になりご相談に来店されました。

 

気になるのは半年前の足の痛み方と、現在の痛み方が全然違う事です。

 

おそらく当初は過度の負担が続いた事により、足の筋肉や関節の疲労や炎症、損傷が痛みに関係していたと思われます。

 

しかし整体や整骨院で治療を受けたり、仕事を辞めて休息をとったことで、現在は筋肉や関節の問題は殆ど解決されているようです。

 

右足と左足の同じところが左右対称に移動しながら1日中痛むというのは、通常の痛みの起こり方としては少し考えにくいです。

 

このような理屈に合わない痛み方の中には、自律神経の乱れによる知覚神経異常が関係している事があります。

 

おそらくあまりに強い痛みとなかなか良くならない不安から、知覚神経が過度に敏感になり、良くなっているはずの足に痛みを感じさせているのではないかと考えました。

 

それらの状況を踏まえ、糸練功の反応から自律神経のバランスを整える事を目的とした漢方薬をお出ししました。

 

また全身を調べると下腹に血流の悪さと冷えの反応があり、それも改善の妨げになっているように思われました。そのため血流を良くして身体を温める作用のある漢方薬も併用としました。

 

漢方薬を飲み始めて1か月後
漢方薬を飲み始めてとても楽になったようです。
3~4日のうち1日ぐらいは痛みが気になる日もあるようですが、1日中続くことは無く短時間で治まるようになりました。

 

調子は良いようですが、漢方薬は同じ量でお出ししました。

 

2か月後
痛みが気になる事は無くなったようです。
糸練功で漢方薬の必要な分量を調べて、自律神経に対する漢方薬はそのままの量ですが、下腹部に対する漢方薬は半分に減らしました。

 

3か月
その後も良い状態が続いています。
下腹部に対する漢方薬は終了して、自律神経に対する漢方薬は2/3量に減らし、1か月分飲み切った後も調子が良いなら漢方治療も終了としました。

 

理屈に合わないような変な痛み方の中には、自律神経のバランスを整えることを目的とした漢方薬で改善出来る事もあります。

 

この方の漢方薬代金 1日あたり600円(税別)(体質、症状により代金は異なります)