アトピー性皮膚炎の改善(40代・女性)

3年前から皮膚の痒み、湿疹、全身の乾燥が続いているためご相談に来店されました。

 

元々子供の頃にアトピー性皮膚炎がありましたが、年齢とともに落ち着き、それ以降は皮膚症状は無かったのですが、また出てきてしまったようです。

病院からはステロイド軟膏や保湿剤、プロトピック軟膏と抗アレルギー剤が出されています。

 

紫外線や汗の刺激、入浴後には特に痒みが強くなります。
また仕事が終わってホッとした車の運転中にも強い痒みが起きる事が多いようです。

 

ホッとした時に強い痒みが起きるのは、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかないなどの自律神経の乱れが関係している可能性があります。1年程前からホットフラッシュなどの更年期のような症状も出ているようです。

 

症状の出方や体質的な傾向、糸練功の反応から自律神経や女性ホルモンのバランスを整える作用のある漢方薬と皮膚を潤す作用のある漢方薬をお出ししました。

また白米と味噌汁の和食を中心に、甘いお菓子やジュースなどは控えるようにお伝えしました。

 

漢方薬を飲み始めて3カ月後
痒みや湿疹の状態には波はありますが、全体的に少しずつ皮膚の痒みや乾燥感が減ってきました。
仕事終わりに急に痒くなる事も減っているようです。
ステロイド軟膏の使用量も少しずつ減ってきました。

 

5ヶ月後
乾燥した皮膚が落ちる事も減り、ステロイド軟膏の使用量も1/3ぐらいに減ってきました。

 

7ヶ月後
仕事が忙しくなった時期に痒みが増したり、山菜をたくさん食べた後に湿疹が悪化する事はありましたが、例年は調子が悪くなる花粉症の時期もそこまで影響なく過ごせているようです。

 

山菜はアクが強く発散作用があるために、食べ過ぎると湿疹が噴き出す事があります。
胃腸が強くない方は玄米や山菜、野菜の皮などアクの強いものは控えた方が良い事の方が多いです。

 

仕事が忙しい時期にはストレスを緩和する漢方薬を追加でお出しするなど、その時々の体調によって漢方薬の組み合わせを調節しました。

 

9ヶ月後
気温が高くなり汗をかく機会が増えてきました。
汗をかくとどうしても痒みが強くなります。元々汗かきのため余計に影響があるようです。
汗腺を引き締め過度の発汗を抑制して、汗の刺激を緩和する作用のある漢方薬を追加でお出ししました。

 

1年後
汗に対する漢方薬で、以前に比べるダラダラと汗をかく事は減ったようです。
ただし痒みは夏場になって起こり易くなっています。

 

途中で皮膚科の処方が新しいタイプの非ステロイド軟膏に変更されるとかえって湿疹が悪化してしまいましたが、ステロイド軟膏に戻すとまた落ち着きました。

 

1年前は毎日ステロイド軟膏を塗っていましたが、3日に1回程度、頚や肩、腰周りに塗る程度で落ち着くようになっています。

 

15ヶ月後
途中で体調を崩した際に一時的に悪化した事がありましたが、最近はステロイド軟膏を塗る機会も週に2回ぐらいに減って、保湿剤だけの日が増えてきました。
漢方薬も症状の変化に合わせて変更しました。

 

1年半後
身体の皮膚の調子はだいぶ良いようですが、春になるにつれて頭や顔の湿疹、痒みが強くなってきました。やはり紫外線が良くないようです。日光皮膚炎に使う事もある漢方薬を追加でお出ししました。

 

1年9ヶ月後
汗で痒くなったり、ホッとするとたまに痒くなる事もありますが、以前と比べるとだいぶ楽なようです。湿疹も出来にくくなり、顔も身体もステロイド軟膏を塗る必要は殆ど無くなりました。

 

2年後
去年は調子が悪くなりがちだった夏場も湿疹が悪化する事はありませんでした。
ステロイド軟膏は使う必要が無くなり、保湿剤だけで大丈夫なようです。

 

2年半後
冬場で乾燥する時期にも関わらず、皮膚の乾燥もだいぶ良くなってきました。
胃の冷えと思われる鼻炎症状があります。
皮膚に対する漢方薬を段階的に減らして、冷えを改善する漢方薬を組み合わせました。

 

2年8カ月後
鼻炎症状も落ち着き、痒み、湿疹も気にならない状態が続いています。
漢方薬の量を減らしても安定した状態が続いているため、漢方薬の服用を終了としました。

 

アトピー性皮膚炎は漢方薬を少し飲んで良くなるというものではありませんが、食養生と根気良く漢方薬の服用を続ける事で改善出来る事もあります。

 

この方の漢方薬代金 1日あたり600~700円(税別)(体質・症状により代金は異なります)