便秘とそれに伴う腹部の張りや残便感のご相談がありました。
通常は3日に1回ぐらいのペースで、それでも出ない時は便秘薬としてマグネシウム剤を服用しています。
しばらく他院で漢方薬を服用していましたが、効きすぎるためか便が緩くなり過ぎてしまったそうです。
また以前はそうでもありませんでしたが、1カ月ぐらい前から通じがないとお腹が張るようになってしまいました。
日によって違いますが、コロコロとした兎糞状や細い便の事があります。
また旅行などでは便秘が悪化し易いですが、ストレスで下痢になる事もあります。
症状の出方から、大腸が過緊張する事で起こる痙攣性便秘のように思われました。
そのため大腸の緊張を緩める作用のある漢方薬と、少量の腸内乾燥を潤す作用の漢方薬を組み合わせてお出ししました。
漢方薬を飲みだして2週間後
便通は毎日あるようになりました。
また腹部の張りや残便感も無くなってきました。
3週間後
生理前のために便通が2日に1回ぐらいのペースになってしまいました。
生理前は黄体ホルモンの分泌が増える影響から、大腸の運動が鈍り、腸内が乾燥しやすくなってしまいます。
腸内を潤す漢方薬の量を、少し多めに飲んで頂くことで対応しました。
6週間後
腹部の張りや残便感はありません。
緩くなり過ぎる日が出てきたため、大黄を含む腸内を潤す作用のある漢方薬の量を調整しました。
8週間後
今回は生理前にも関わらず便秘の悪化はありませんでした。
良い状態が続いています。
また女性ホルモンに対する漢方治療も並行して行っていますが、こちらも生理前の食欲亢進や足先の冷えが改善してきているご様子です。
この方は大腸の過緊張が原因のため、大甘丸などの一般的に便秘に用いられる漢方薬だと下痢になったり、腹痛が起きてしまうと考えられます。
大腸の過緊張を改善して働きを正常化させる事で、便通が整い、腹部の張りや残便感も解消する事が多いです。
同じ便秘という症状でも、便秘が起きている原因によって適している漢方薬は異なります。
便秘でお困りの方は、ご相談頂ければと思います。
この方の便秘に対する漢方薬の代金 1日あたり 400円(税別)(体質・症状によって代金は異なります)