疲れで悪化する不安感、憂うつ感

〇40代・女性

半年程前から色んな事に対してやる気が起きず常に不安感や憂うつ感のある状態が続いています。

 

同時期から疲れ易くもなっており、不安感や憂うつ感は疲れると余計に悪化するようです。
そのため仕事にはなんとか行っていますが、家に帰ると横になり家事があまり出来無い事も多いようです。

 

3ヵ月前に心療内科を受診して、抗不安薬であるワイパックスを処方されています。
ワイパックスを飲み出して少し落ち着いてきた感じはあるものの、やはりすっきりしない状態が続いています。

 

今回の症状は初めてでは無く、過去にも3回大きく調子を崩した事があり、それぞれ「軽度うつ病」「産後うつ」「適応障害」と診断を受けています。

 

症状の出方や体質的な傾向、糸練功の反応から、水と気の巡りを良くする漢方薬と血虚を補う漢方薬の2種類をお出ししました。

 

漢方薬を飲み始めて1カ月後
少し調子の良い日が増えてきて、家事が出来ずに横になる回数が減ってきました。

 

ただし調子が良いため少し無理をすると、その後で調子が悪くなってしまいます。気虚を補う漢方薬を追加でお出ししました。

 

2カ月後
全体的に少しずつ調子は上向いているようです。1週間の半分ぐらいは調子の良い日が出てきました。

 

ただしやはり疲れると不安感、憂うつ感が強くなります。
血虚に対する漢方薬が必要無くなっているようでしたので、漢方薬を2種類にしました。

 

3カ月後
変な倦怠感が起きる事が減ってきました。
調子も落ち着いてきたように見えましたが、2週間前から仕事が繁忙期に入り、忙しい日が増えてきました。

 

忙しい日の翌日は以前ほど激しくはありませんが、やはり不安感、憂うつ感が出てくるようです。
急迫症状を緩和する漢方薬を追加しました。

 

4ヶ月後
漢方薬を追加して、もう少し調子が安定しました。何とも無い日はあまり症状も意識しないようです。

 

ただしやはり1週間に1回の頻度で不安感、憂うつ感が起きるようです。
気虚を補う漢方薬を中止して、気持ちを落ち着ける作用のある漢方薬を追加しました。

 

4カ月半後
調子が大幅に安定したようです。
再び繁忙期に入り忙しい日が続きましたが、その割に調子を大きく崩す事も無く大丈夫でした。

 

5ヶ月後
調子が良い日が続いているため、ワイパックスの服用を止めました。
病院からも調子が良ければ服用を止めても良いと言われているようです。

 

しかし服用を止めると、少し変な感じになってしまいます。
いきなり止めるのでは無く、2週間ごとに1/4ずつ減らしてみてはどうかとお話ししました。

 

7カ月後

ワイパックスの服用を完全に止めましたが、変な不安感や憂うつ感、倦怠感は起きていません。漢方薬の分量も減らし始めました。

 

9ヶ月後
問題無い状態が続いています。
漢方薬を1種類に減らしました。

 

10ヶ月後
引き続き調子が良いため、漢方治療を終了する事が出来ました。

 

少しずつ調子は安定傾向にありましたので、漢方薬の方向性は間違っていなかったと思うのですが、ベストと思われる組み合わせを見つけるまでには時間がかかりました。
ただしその後はとても順調な改善がみられました。

 

また過去に3回大きく調子を崩している事もあり、2度と起きる事が無いようにと、症状消失後も5か月間漢方薬の服用を続けて頂きました。

 

抗うつ剤や安定剤といった向精神薬の中には、急に止めると離脱症状を起こすものがあります。
そのような場合も、適切な漢方薬の服用を続けながら、少しずつ向精神薬の量を減らす事で離脱症状を防げる事があります。

 

この方の漢方薬代金 1日あたり600円(税別)(体質、症状により代金は異なります)