〇30代・女性
19歳の頃から生理痛(下腹部の痛み)が酷くなり、生理1~2日目は鎮痛剤を1日3回は服用します。1年半前から生理初日に肛門のあたりが引っ張られて痙攣するような痛みが起きるようになりました。
このお尻の痛みは鎮痛剤を飲んでも少しも軽くならないようです。
心配になり婦人科を受診しましたが、子宮内膜症などの異常はありませんでした。
体質的な傾向や症状の出方、糸練功の反応から、お腹周りを温めて血流を良くする漢方薬と筋緊張を緩める作用のある漢方薬をお出ししました。
また養生法としてお腹や下半身を冷やさない事と、白ご飯と味噌汁の和食を中心として甘い物を摂り過ぎないようお伝えしました。
漢方薬を飲み始めて1カ月後
前回ご相談があったのが生理中だったので、漢方薬を飲み始めて25日ぐらいした次の生理の時には、生理痛もお尻の痛みも少しもなく、鎮痛剤を飲む必要も無く、嘘のように楽に終わったようです。
こんなことは15年前に生理痛が酷くなってから2回目の事のようです。
聞けば10年程前に生理痛とは別の症状で他店で漢方相談をした際に、一念発起して食事にとても気を付けた時も生理痛が全然無かった事があったそうです。
気を付けた事
〇毎日習慣的に食べていた甘いお菓子類を極力減らした。
〇頻繁に食べていたパンを白ご飯とお味噌汁の和食中心にした。
〇身体を冷やすコーヒーを飲む回数も大幅に減らした。
ただ10年前の時は結局1ヵ月で挫折して、またお菓子など頻繁に食べるようになってしまい、翌月からは酷い生理痛に戻ってしまいました。
今回の劇的な改善も漢方薬の効果もあったとは思いますが、それ以上にご自身で食事に気を付けた事が大きかったように思います。
漢方には養生7分、医は3分という言葉があります。
また東洋医学の中国の古典には、漢方薬を飲む事よりも鍼やお灸をする事よりも、毎日の食事や心のあり方に気を付ける方が大切だと書かれています。
どんなに身体に合った漢方薬を飲んだとしても、間違った生活を続けていれば効果は出難いものです。
ただあまり張り切り過ぎて、厳しくし過ぎてもすぐに挫折してしまう事も多いと思います。
出来る範囲で少しずつ変えていく事が大切なように思います。養生の大切さを再認識した症例でした。
生理痛・月経困難症について詳しくはこちらをご覧下さい。
この方の漢方薬代金
1日あたり600円(税別)(体質・症状により代金は異なります)